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真珠の形はラウンド、オーバル、ティアドロップ、ゴシックなど、さまざまです。一般的には完全な球形が最も優れているとされており、形に歪みのあるいびつな真珠は低く評価されます。
しかし、中には唯一無二の形をしていることが高く評価され、真円の真珠よりも高い値段が付く真珠もあります。
今回の記事では真珠の形に焦点を当て、いびつな真珠ができる理由や、さまざまな真珠の形についてご紹介していきます。
真珠の品質については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
▶真珠の品質は何で決まる?色・巻き・光沢(テリ)など、真珠の価値が決まる8項目を徹底解説
真珠の形は真円だけじゃない!真珠がいびつになる理由とは?
真珠と言うと真ん丸の形をしている印象が強いですが、実際は完全な球形をした真珠というものはむしろ稀です。
多くの真珠は若干の歪みがあったり、表面に凸凹があったりと、どこかいびつな形をしています。真珠がいびつな形になってしまうのは、なぜなのでしょうか?
真珠の形成過程で歪みや凹みが生じる
真珠は、母貝の体内に挿入された球形の核の上に、一層が0.35ミクロン程度(1ミクロンは1/1000mm)の真珠層が積み重なることでできあがります。
一般的な真珠層の厚みは0.4mm~0.5mmですが、球形の核をもとにしているため真珠層が平均的に巻いていけば、できあがった真珠も真円になるはずです。
しかし実際には、何千層にも及ぶ真珠層が積み重なっていく成長の過程で、分泌液が均等に排出されなかったり細微な不純物が混ざり込んだりします。
こうした真珠層の形成過程で起こるイレギュラーなできごとから、形がわずかに歪んだりエクボと呼ばれる小さな凹みができたりするのです。
いびつな真珠の見分け方
一見完全な球形に見える真珠でも、若干の歪みがある真珠は多く流通しています。ルースのパールジュエリーに使われている場合、真珠がいびつなものかどうかを見分ける方法を紹介します。
一連のパールネックレスの真珠の形がいびつでないかを見分けるためには、ネックレスの両端を持ってクルクルと回してみると分かりやすいです。真珠を回しながら見ることで、変形や傷が見えやすくなります。
指輪やペンダントなどは、真珠のいびつさが分かりにくいようにセッティングされていることが多いです。正面や真上だけから見るのではなく、全ての角度からまんべんなく見るようにすると、形の歪みや凹みに気が付きやすいでしょう。
真珠の形の種類を紹介
真珠の形には完全な球形をしたラウンドから極端にいびつな形をしたバロックまで、さまざまな種類があります。ここでは、真珠の形の区分けでよく使われる形を表す名称と、それぞれの特徴、よくある使用例などを紹介します。
ラウンド(真円)
ラウンドとは完全な球形の真珠の形をした真珠です。ニアラウンドやセミラウンドと呼ばれる真珠と区別するために、パーフェクトラウンドと呼ぶこともあります。
粒が大きくパーフェクトラウンドにより近いほど産出量は少なくなり、希少価値が高くなります。どの角度から見ても美しいラウンドの真珠はフォーマルな印象があり、最高級のパールネックレスや一粒パールのペンダントなどに使われています。
セミラウンド(ほぼ真円)
セミラウンドとは、ラウンドに近い球形ながら、やや歪んだ形をした真珠です。セミラウンドの方がラウンドに比べると多く産出されるため、価格もリーズナブルです。
セミラウンドの中には変形の度合いが少なく、セッティングの仕方によっては一目見ただけではラウンドとの違いがほぼ分からないものも少なくありません。
巻き・光沢(テリ)・色などは優れているけれど、わずかにラウンドに及ばないというセミラウンドの真珠を選ぶと、良質のパールジュエリーをリーズナブルな価格で購入できる可能性があります。
オーバル(楕円)
オーバルとは、縦と横で直径に差があり楕円形をしている真珠です。オーバルの縦長のシェープは顔周りをすっきりと見せる視覚的な効果もあり、オーバルの形を活かした一粒パールのペンダント、ピアスやイヤリングが人気です。 また、オーバルの形を強調したデザインのジュエリーも人気があります。オーバルの真珠のみを繋げたパールネックレスは、ラウンドのパールネックレスと比べると、エレガントで大人っぽい印象を与えます。定番のパールネックレスでも個性のあるものを選びたい方におすすめです。
サークル(円縞型)
サークルとは、真珠の周囲をリング状に波打った模様が入っている真珠のこと。真珠袋の中で真珠質の分泌にばらつきがあることから、真珠層が均一に形成されず筋が入ってしまうと言われています。特にタヒチ産の黒蝶真珠に多く見られますが、淡水パールやアコヤパールでもサークルの真珠が産出されます。
一見してあまり気にならない程度のサークルの場合は、リーズナブルな価格のパールネックレスや一粒ペンダントなどに使われています。また、はっきりとサークルの入った真珠だけを集めてユニークなネックレスに仕立てるケースもあります。
ボタン(やや扁平)
ボタンは、球形を押しつぶしたような偏平な形をした真珠を表します。横から見ると潰れて見えますが、真上から見るときれいな円形をしていることから、イヤリングやブローチなどに加工されることが多いです。
ドロップ(しずく型)
ドロップとは、涙のようなしずくの形をした真珠の名称です。ドロップ形の真珠は産出量が少なく、均整の取れた美しい形をしたドロップパールの中にはラウンドパールよりも高い価値が付くものもあります。
ドロップ型の真珠は、水滴がしたたり落ちる寸前のようなぽってりとした形が、女性的で愛らしい印象を与えます。オーバルと同様に縦型のシルエットは顔回りに合わせやすく、ペンダントやイヤリングにおすすめの形です。
バロック(変形)
バロックには「歪んだ」という意味があり、その名の通りいびつで歪んだ真珠の形です。球形ではなく、凸凹とした形状の真珠の全てがバロックと総称されており、オーバルやドロップもバロックに含まれています。
かつてはバロックの真珠は商品価値がないと廃棄されていましたが、近年ではバロックパールの個性的な形に着目し、ユニークでサステイナブルなジュエリーとして商品化されているものも少なくありません。
特に2つの核の真珠がくっついて雪だるまのような形をしたツインや、尾ひれが付いたようなおさかな真珠は、偶然が作り出した個性的な形が高く評価されています。
最も価値が高い形は?真珠の形について重要なポイント
真珠にはいろいろな形がありますが、形によってどのように価値が変わるのでしょうか?真珠の形について知っておきたい重要ポイントを紹介します。
ポイント1:一般的に真円(パーフェクトラウンド)が高く評価される
さまざまな形の種類の中で最も価値が高いとされているのが、完全な球形をしたラウンドの真珠です。真珠の土台となっている核が真円をしているため、ラウンドの真珠が作られるためには真珠層が全方向均等に積み重ねられる必要があります。
しかし、真珠はあくまでも生きた貝によって自然に作られるものなので、真珠の成長過程でわずかなゆがみが生じやすくなります。特によく巻いたパーフェクトラウンドの真珠は希少価値が高く、光沢も美しいため最高評価が付きます。
ポイント2:セミラウンドやオーバルが狙い目
真珠の核が真円なため、真珠層が薄ければ薄い程ラウンドになる可能性が高く、わずかに歪みのあるセミラウンドやオーバルのものは、真珠層がしっかり巻いている証という見方もできます。実際に、ラウンドにはわずかに及ばないけれど、巻きがしっかりした光沢の美しい真珠は少なくありません。
セミラウンドやオーバルの真珠は、加工の仕方によってわずかな変形をうまく隠すこともでき、見た目ではラウンドの真珠ばかりを集めたものと変わらない美しいパールジュエリーを作り出せます。
セミラウンドやオーバルの真珠はパーフェクトラウンドの真珠よりもリーズナブルな価格なので、より美しい真珠をよりリーズナブルな価格で手に入れたい方にとっては、セミラウンドやオーバルの真珠が狙い目です。
ポイント3 オーバルやドロップの人気が上昇中
真珠は長い間「ラウンドものこそ価値が高い」とされ、それ以外の真珠は「できの悪い真珠」として安価で取引されていました。
しかし最近では、オーバルやドロップを使ったパールジュエリーの人気が急上昇中です。 オーバルは縦長にシュッと伸びた形がかっこよく、ドロップはぽってりとしたシェープが愛らしく、それぞれラウンドパールとは違ったテイストのパールジュエリーに仕立てられます。
どちらも縦長のシェープが顔回りや胸元をすっきり見せてくれるので、ラウンド以外のパールジュエリーに挑戦してみたい方は、ぜひオーバルやドロップを試してみてください。
TPOに応じていろいろな形の真珠を使い分けてみて
真珠を選ぶ時に、色・巻き・光沢を重視する方が多いですが、真珠の形も見た人の印象を大きく左右する要素です。
最も整った形でフォーマル感の高いラウンドの真珠から個性が際立つバロックパールまで、それぞれの形に相応しい用途があります。
冠婚葬祭用の一生もののパールネックレスならラウンド、女性らしいエレガントな雰囲気のパールジュエリーならドロップ、ファッションの主役となるような個性的なパールジュエリーを選ぶならバロックと、着用シーンやジュエリータイプに合わせて、いろいろな形の真珠を使い分けてみてください。
真珠専門店の『ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)』では、最高品質であるラウンドの真珠を使ったパールジュエリーだけでなく、セミラウンドやオーバルを使ったコスパの高いジュエリーや、個性あふれるバロックパールのジュエリーなどもご用意しています。
パールジュエリーを選ぶ場合はぜひ形にも注目し、一生大切に使い続けられるジュエリーを手に入れましょう。
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