真珠の巻きとは?真珠の耐久性や光沢を大きく左右する「巻き」について詳しく解説

真珠の巻きとは?真珠の耐久性や光沢を大きく左右する「巻き」について詳しく解説

目次

真珠の品質は、サイズ、色、光沢、傷の有無などさまざまな評価項目によって総合的に決まりますが、その中でも見た目の美しさや耐久性を大きく左右するのが「巻き」です。真珠の巻きとは一体何のことで、真珠の品質にどう影響するのでしょうか?

今回の記事では真珠の巻きについて、平均的な巻き厚、厚巻きと薄巻きの真珠の違い、真珠の巻きについて知っておきたい重要なポイントなどを解説していきます。より美しく品質の高い真珠を選ぶために、ぜひご一読ください。

真珠の品質については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
真珠の品質は何で決まる?色・巻き・光沢(テリ)など、真珠の価値が決まる8項目を徹底解説

 

真珠層の巻きとは?

真珠層の拡大写真(100倍)

(*写真:真珠層拡大写真) 

真珠の巻きとは、真珠層のことです。真珠は母貝の体内に埋め込んだ核の周りに、貝から分泌された炭酸カルシウムが結晶となり積み重なって形成されます。

各層の厚みはわずか0.35ミクロン程度(1ミクロンは1/1000mm)で、その極薄の層が何千層もレンガのように積み重なって真珠層を作り上げます。

 

平均的な巻厚はどれぐらい?

挿核から浜揚げされるまでの養殖期間中、真珠層は徐々に積み重なります。一般的に真珠層の厚さは0.4mm〜0.6mm程度ですが、養殖期間が短い真珠は0.25mm〜0.3mmほどで「薄巻き」と呼ばれ、真珠層が薄い傾向にあります。

一方、養殖期間が一年以上で厳しい冬を越して育てられた真珠は「越し珠」と呼ばれ、真珠層が0.60mm以上の「厚巻き」として人気があります。

 

厚巻きと薄巻きの真珠の違い

真珠の巻き

真珠層の厚みは、真珠の品質や美しさにどのような影響を与えるのでしょうか?ここからは、厚巻きと薄巻きの真珠の違いを解説します。

 

厚巻きの真珠の特徴

巻きの厚い真珠は、厚い真珠層が外から入り込んだ光を、より多くより深い層まで取り入れます。そのことによって、以下の特徴が見られます。

  • 干渉色が鮮やかに現れる
  • 複雑で豊かな美しい照りが現れる
  • 経年劣化しにくく耐久性が高い
  • 歪みやキズができやすい

 

薄巻きの真珠の特徴

薄巻きの真珠では外から入り込んだ光がすぐに真珠層の下の核に届き、核が透けて見えてしまうこともあります。薄巻きの真珠の特徴は以下の通りです。

  • 干渉色が少ない
  • 輝きが単調で照りが乏しい
  • 核から直接反射する光が見えて、ギラギラとした印象がある
  • 変色しやすい
  • 歪みやキズが少ない

 

「巻きが良い」とは?

真珠業者がよく使う「巻きが良い」「よく巻いている」という表現は、必ずしも真珠層が厚いということだけを意味しているものではありません。

一般的には真珠層が厚い真珠の方が、薄巻きの真珠よりも美しい光沢(テリ)を持ち、耐久性も高いとされていますが、真珠層の質が良くなければ、どんなに巻き厚でも真珠の美しさには繋がりません。

「巻きが良い」という表現には真珠層の厚みだけでなく、

  • 真珠層の透明度が高いこと
  • 真珠層が緻密であること
  • 結晶が整然と並んでいること
など、真珠層の質の良さも含まれています。

 

厚みよりも質が大切?真珠の巻きについて重要なポイント

巻きが厚ければ厚いほど美しい光沢(テリ)が出ると思われがちですが、実際には必ずしもそうとは限りません。ここでは、真珠の巻きについて知っておきたい3つの重要ポイントを解説します。

 

ポイント1:巻きの厚さと美しさは比例しない

真珠層の巻き

一般的には巻きが厚い真珠の方が、巻きの薄い真珠に比べると、より強い干渉色と光沢が見られます。しかし、巻きが厚くても真珠層が不揃いであったり、真珠層に不純物が含まれて濁っていたりすると、美しい干渉色や光沢は現れません。

例えば、真珠層が0.4mmの真珠と0.6mmの真珠があったとして、0.4mmの巻き厚を持つ真珠の真珠層の方が緻密さや透明度に優れていた場合、0.6mmの巻き厚の真珠よりもより美しく、高く評価されることがあります。

巻きの厚さがある程度あることを前提として、真珠層が緻密に整然と重なり合っていること、真珠層に不純物が少なく透明度が高いことが、品質の高い真珠には不可欠です。

 

ポイント2:鑑別書記載の巻き厚測定値に質の評価は含まれない

鑑別書

真珠の品質を評価する鑑定鑑別書(グレーディングレポート)では、真珠の巻きの評価に関して「巻き厚測定値」を記載していることがあります。

巻き厚保測定値は、真珠の表面に超音波をあてて、真珠層に当たって返ってきた波と核に当たって返ってきた波の差から、真珠層の厚さを測ります。

「巻き厚保測定値」では真珠層の厚みが明確な数値として記載されているため、真珠を選ぶ時に比較しやすく、「巻き厚測定値が高い真珠の方が、巻きの良い真珠」と判断されがちです。

しかし、真珠の「巻き」で重要なのは、真珠層の厚さと品質の両方です。巻き厚保測定値には真珠層の質の評価は含まれていないため、巻き厚保測定値のみで「巻き」の良し悪しを判断することはできません。

 

ポイント3 真珠選びで一番重要なのは薄巻きでないこと

真珠の巻きの良し悪し

(*左:厚巻き/右:薄巻き)

一般的には、真珠層の厚みが0.4mm以上あれば、それ以上は真珠の見た目の美しさに大きな影響は与えないと言われています。

真珠層が0.3mm以下のような、薄巻きと呼ばれる真珠の場合、核の稿が見えてしまったり光沢が単調で乏しかったりと、見た目の美しさに問題があるだけでなく、変色したり真珠層が剥がれたりなど耐久性にも影響します。

見た目の美しさと耐久性の両方を考えると、0.4mm以上の巻き厚のある真珠を選ぶのが安心と言えるでしょう。

 

真珠を選ぶ時には「巻きの良さ」に注目

神戸の無調色真珠専門店「エリスヴェリーナ」

「巻きの良い」真珠には、虹色に輝くような干渉色や内側から輝くような奥深い光沢が生まれます。品質の高い真珠であるためには、「巻きの良い真珠」であることが不可欠と言えるでしょう。

無調色真珠にこだわった真珠専門店『ERIS VELINA』では、上質の真珠を使ったオリジナルのパールジュエリーを提供しています。過度な脱色や着色、研磨などによってついた加工キズのある真珠は使用せず、真珠層がしっかり厚く巻かれており、光沢と色の美しい真珠のみを厳選しています。

美しさに問題がなく見える真珠でも、経年劣化しやすい薄巻きの真珠は取り扱っていないので、長く大切に使い続けられるパールジュエリーを安心してお選びいただけます。

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