5月の誕生石はエメラルドと翡翠の2石ですが、世界の五大宝石にも数えられるエメラルドに比べると、翡翠という宝石はあまり詳しく知られていないかもしれません。
今回の記事では、東洋で古くから珍重されてきた翡翠について解説します。翡翠の鉱物的な特徴、歴史や名前の由来、石言葉などを詳しくご紹介するので、翡翠について知りたい方はご一読ください。
なお、翡翠以外の誕生石については、こちらの記事で詳しく紹介しています。▶︎誕生石一覧【最新版】1月から12月の誕生石や366日の誕生日石、意味、パワーを徹底解説
目次
「東洋の宝石」翡翠とは、どんな宝石?

エメラルドと同じく5月の誕生石である翡翠は、深い緑色、白、ラベンダーなどの色合いをした半透明の宝石です。中国をはじめとする東洋では、古代から金よりも価値のある宝石として珍重されてきた宝石で、「東洋の宝石」とも呼ばれています。
日本では縄文時代の翡翠の勾玉や宝飾品が発見されており、日本は世界最古のヒスイ文化発祥地と言われています。古墳時代や奈良時代では、不老長寿や健康のシンボルとして大切にされてきました。
ここからは翡翠がどのような宝石なのか、鉱物的な特徴や色合い、透明度などについて詳しく解説していきます。
翡翠の鉱物的な特徴
一般的に翡翠と呼ばれる宝石には、硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)という、鉱物的には全く異なる2種類があります。市場で宝石として高く評価されているのは硬玉の方で、「本翡翠」と区別されることがあります。
| 特徴 | 硬玉(ジェダイト) | 軟玉(ネフライト) |
|---|---|---|
| 鉱物名 | ジェダイト | ネフライト |
| 化学式 | NaAlSi2O6 | Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2 |
| 屈折率 | 1.666~1.680 | 1.606~1.632 |
| 比重 | 3.34 | 2.95 |
| モース硬度 | 6.5~7 | 6.0~6.5 |
翡翠の色合い
翡翠の色合いは、濃緑から淡緑までの幅広いグリーン系、白、クリーム、ラベンダー、紫、黄色、黒などさまざまな色があります。最も多いのがクロムの含有量によって現れるグリーン系の色合いで、淡いアップルグリーンから濃いエメラルドグリーンまで色の幅があります。
紫系の色合いは鉄やマンガンの発色によるもので、こちらもラベンダーのような淡い紫色から濃紫色まで幅があります。
評価が高いのは鮮やかなエメラルドグリーンをした透明に近いジェダイトで、最高峰のものは「インペリアル・ジェイド」と呼ばれています。また、ラベンダーや濃緑の翡翠は希少性が高く、宝石としての価値も高く評価されます。
透明度
翡翠は一般的に半透明の宝石と言われますが、完全な不透明から亜透明と透明度には幅があります。透明度は高ければ高い程品質が良いとされており、宝石としてのランク付けにも大きく影響します。
最高峰の「インペリアル・ジェイド」は極めて透明度が高く、亜透明に分類されるほど光を通します。透明度が高い翡翠は内部まで光が浸透し、まるでエメラルドのような鮮やかな緑色が強調されます。
カットの特徴
翡翠のカットで最も代表的なのはカボションカットと呼ばれるカットです。カボションカットとは、表面が丸く磨き上げられたカットで、優美でクラシカルな印象のペンダントや指輪に加工されます。
丁寧に施されたカボションカットは、翡翠の半透明な性質を美しく反映し、オイルを塗ったような独特の艶と光沢を作り出します。他の宝石のように小さな面を多く作るファセットカットが施されることは珍しいです。
翡翠の歴史や名前の由来は?

翡翠の歴史は古く、縄文時代から日本で大切にされてきた宝石です。ここからは、そんな翡翠の歴史と、翡翠という名称の由来についてご説明いたします。
翡翠の歴史:縄文時代から使われてきた日本の国石
翡翠は約7,000年前の縄文時代から、宝飾品や勾玉として使われてきました。縄文時代の翡翠の産出地は新潟県糸魚川地方で、勾玉や大珠というペンダントのような宝飾品に加工されたものが、日本各地で取引されていました。
古墳時代や奈良時代になると、仏教伝来とともに翡翠の勾玉が使われる機会が減り、以降は近代まで翡翠は歴史上から姿を消していました。
1938年に、翡翠の探索を行っていた伊藤栄蔵氏により、糸魚川市にある小滝川で翡翠が再発見されました。1958年には、全国宝石卸商協同組合がアメリカの基準を基に日本らしい宝石として、3月の珊瑚と5月の翡翠を加え、合計19石の誕生石を定めました。
以降、翡翠はエメラルドと並ぶ5月の誕生石として親しまれてきました。さらに2016年9月には、日本鉱物科学会によって日本の国石にも選定され、日本を象徴する宝石となっています。
翡翠の主な産地
翡翠の主な産出国は、ミャンマー、グアテマラ、ロシア、日本などです。日本は世界最古の翡翠文化の発祥地であり、特に新潟県糸魚川市が、国内最大の産地として知られています。
新潟県以外でも、富山県朝日町、群馬県下二田町、兵庫県養父市、岡山県新見市などで翡翠が産出されています。
翡翠の名前の由来
翡翠(ヒスイ)の名前の由来は青緑色の美しい羽を持つ鳥「カワセミ(翡翠)」です。
清流に生息するカワセミは、オスは赤色の羽、メスは青緑色の羽の美しい色合いの鳥で、「空飛ぶ宝石」とも呼ばれています。中国語で「翡」はオスの赤色、「翠」はメスの緑色を表すため、翡翠という漢字が使われています。
英語名「Jade」の由来
翡翠は英語では「Jade(ジェイド)」と呼ばれています。ジェイドの語源は、スペイン語で「腰の石」という意味を持つ「piedra de ijada(ピエドラ・デ・イハーダ )」に由来します。
中南米を探検していたスペインの探検家が、先住民によって腰痛緩和の薬として腰にあてていたのを見たことから、翡翠が「腰の石」と呼ばれるようになったのだそうです。
翡翠の石言葉や効果

宝石にはそれぞれの石に込められた象徴的な意味や祈りを表す言葉があります。自分の願いや伝えたい想いを反映する宝石を選んで、お守りのように身に着ける方も少なくありません。
日本人にとって馴染みの深い翡翠の石言葉があるのでしょうか?翡翠を身に着けると、どのような効果が得られるのでしょうか?翡翠の石言葉や効果について詳しく解説します。
翡翠の石言葉
翡翠の石言葉は、「繁栄」「長寿」「幸福」「安定」が代表的です。東洋では古くから不老不死や災除けの「魔法の石」として崇められてきたこともあり、安定した生活や長きにわたる幸運をもたらす石とされています。
翡翠の効果
翡翠は「奇跡の石」とも呼ばれて、古代より多くの力を持つ特別な石として大切にされてきました。翡翠には以下のような効果があります。
- 【癒しの効果】翡翠の落ち着いた緑色は豊かな自然を感じさせる色で、ストレスを緩和し穏やかな心をもたらすヒーリング効果があると言われています。
- 【厄除けの効果】翡翠には、古くから災難や邪気をはねのける強力な厄除けや魔除けのパワーがあると信じられてきました。特に黒い翡翠は、強い魔除け効果を持つとされます。
- 【健康や長寿の効果】翡翠には「再生」や「生命力」の力が秘められており、老化を遅らせ体力を回復させると信じられてきました。中国では、永遠の若さを象徴する「神仙の石」とも呼ばれており、健康や若返りを促進する力があるとされています。
- 【人徳を高める効果】翡翠は古代中国では、仁・義・礼・智・信の「五徳」を高める高貴な石として身に着けられていました。「仁」は慈悲深い心、「義」は正義を貫く心、「礼」は相手を敬う心、「智」知恵や冷静に物事を判断する力、「信」は約束を守る誠実な心とされ、翡翠を持つことで人間的な魅力が向上すると言われています。
【FAQ】購入前に知っておきたい翡翠の見分け方と価値

翡翠の選び方に関するよくあるご質問にお答えします。
| Q. 翡翠の本物と偽物の見分け方は? | A. 本物の翡翠は熱伝導率が高く、触ると冷たく感じます。また比重が重いため、持った時にずっしりとした重みがあります。光を透かすと内部に繊維状の結晶が見えるのが天然の特徴で、気泡が見える場合はガラスなどの偽物の可能性が高いです。 |
| Q. 価値が高いとされる翡翠の条件は? | A. 「透明度の高さ」「鮮やかで均一な色合い(特にエメラルドグリーン)」そして「無処理(A貨)であること」が価値を決定づけます。とろみのある高い透明度を持つものは「ろうかん(インペリアル・ジェイド)」と呼ばれ、非常に高値で取引されます。 |
| Q. 翡翠の「A貨・B貨・C貨」とは何ですか? | A. 翡翠の処理基準を示すランクです。A貨は天然無処理の石、B貨は樹脂を含浸させた石、C貨は染色処理された石を指します。宝石としての資産価値を持つのは「A貨」のみです。 |
| Q. 値段の違いは何で決まるのですか? | A. 前述の品質(色、透明度、A貨であるか)に加え、サイズの大きさやカットの美しさによって決まります。色が薄かったり、不透明であったりするものは比較的安価になります。 |
| Q. 他の緑色の石(キツネ石など)との違いは? | A. アベンチュリンやクリソプレーズなどが翡翠の代用品として流通することがありますが、これらは鉱物学的に全く別の石です。モース硬度や屈折率が異なるため、鑑別書を取得することで明確に判別できます。 |
【ERIS VELINAからのメッセージ:自然が育んだ色合いの魅力】
宝石には様々な選び方がありますが、「自然が育んだ本来の色合い」に惹かれる方も多いのではないでしょうか。翡翠において、染色処理などを施さず天然の色を楽しむ「A貨」の魅力は、私たちが専門とするアコヤ真珠における「無調色」の魅力と深く通じるものがあります。
どちらも自然が生み出した個性を大切にしており、特有の透明感や奥深いテリを持っています。品質の基準を知ることに加え、ご自身の心に響く「ありのままの美しさ」を選ぶことも、長く愛着を持てるジュエリーに出会うための素敵な秘訣です。
誕生石を身に付けるメリットとは?

翡翠はエメラルドと同じく5月の誕生石です。誕生石とは1月から12月の各月に割り当てられた宝石で、約3500年前の旧約聖書「出エジプト記」に登場するユダヤの祭司長の胸当ての12宝石が起源です。
誕生石を身に付ける習慣は18世紀頃のポーランドから始まり、西洋諸国に広まったと言われています。
誕生石には、不安を和らげ自信を与える効果があると言われており、日常的に身につけることで、災いを避け幸運やパワーをもたらしてくれると言われています。
誕生月のジュエリーを大切な女性への贈り物に
誕生月のジュエリーは、身につける人に幸運をもたらすお守りとして、誕生日や記念日のギフトにも最適です。特に誕生石をあしらったネックレスは、サイズを選ばないので贈り物として選びやすいジュエリーです。
ネックレスは心臓に最も近い場所である胸元に身に着けるので、誕生石の効果を直に感じやすく、運気を高めるためにもおすすめです。
石言葉に注目して宝石を選ぶ
宝石にはそれぞれ特別な意味や願いが込められており、自分の生まれ月ではなくても、石言葉の意味から宝石を選ぶのもおすすめです。
例えば、3月の誕生石のアクアマリンの石言葉は「聡明」「沈着」「冷静」などで、心身の穏やかさや冷静さを与えてくれる宝石です。8月のペリドットは「夫婦愛」「幸福」「運命の絆」など愛に関わるものが多く、夫婦円満や家族の絆を深める明るいエネルギーを持つ宝石です。
気に入った石言葉を持つ宝石を選んで身に付けることで、宝石からポジティブなパワーを得られるでしょう。
まとめ:天然の美しさを引き立てる「ERIS VELINA」の誕生石ジュエリー

古くから「東洋の宝石」として愛されてきた翡翠は、不老長寿や繁栄を象徴する素晴らしい力を持った5月の誕生石です。翡翠を購入の際は、偽物や処理石に気をつけ、無処理である天然の美しさにこだわって選ぶことをおすすめします。
神戸の無調色真珠専門店「ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)」では、誕生石と無調色真珠をあわせた特別なパールジュエリーをご用意しています。
染色や着色加工を施さない、本来のピュアな美しさを放つ真珠に、小粒の誕生石を合わせたシンプルなペンダントは、オンでもオフでも身に付けやすく、毎日のコーディネートに上品な華やかさを与えてくれます。
お守りのように誕生月を身に付けたいという方や、大切な女性のために上質なジュエリーを贈りたい方は、ぜひ「ERIS VELINA」の誕生石パールペンダントをチェックしてみてくださいね。
なお、誕生石×無調色真珠シリーズはこちらで販売していますので、よかったらご参考になさってください。▶︎1〜12月誕生石×無調色真珠 ペンダントネックレス
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