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近年、サステナブルなライフスタイルへの関心が高まる中、ジュエリー業界でも環境に配慮した取り組みが進んでいます。
そのひとつが「リサイクルジュエリー」です。使われなくなったジュエリーを再利用したり、リフォームしたりすることで、新たな価値を生み出す方法です。
ゴールドやプラチナなどの貴金属はもちろん、パールやダイヤモンドなどの宝石もリサイクルすることで、持続可能な社会に貢献できます。
この記事では、リサイクルジュエリーの具体的な取り組み事例やメリット、方法について詳しく解説します。
なお、ERIS VELINAの「リパール」の開催要項については、こちらのページで紹介しています。>>パールリフォーム&クリーニング相談会!古い真珠が甦る『リパール』開催
リサイクルジュエリーとは?持続可能な社会のための取り組み
リサイクルジュエリーとは、不要になったジュエリーを再利用することで新たな価値を生み出し、資源の無駄を減らす取り組みです。
環境や社会に配慮して作られることから、「エシカル(倫理的な)ジュエリー」とも呼ばれています。
ジュエリー業界では、採掘による環境負荷を抑えながら、美しいジュエリーを次世代へ受け継ぐためのさまざまな方法が考案されています。
リサイクルメタルの活用、リフォームサービス、クリーニングなどを通じて、持続可能な消費を実現することができます。
ジュエリー業界におけるサステナブルな取り組みとは?

ジュエリー業界では、宝石の採掘や製造の過程で、多量のCO2排出や水質汚染、労働環境の問題など、様々な課題を抱えてきました。
これらの問題を解決し、業界全体のサステナビリティを推進するため、「カルティエ」と「ケリング」は2022年4月に「ウォッチ&ジュエリー イニシアティブ 2030(WJI2030)」の発足を正式に発表しました。
WJI2030は、ブランドや企業の枠を超え、ジュエリー業界全体の企業に持続可能な取り組みへの参加を呼びかける大規模なプロジェクトです。
以下の3つの目標を掲げ、業界全体の変革と革新を推進することを目的としています。
- 気候変動対策のための排出削減
- 生物多様性と水の保護
- バリューチェーン全体でのインクルージョン促進
この取り組みにより、環境負荷の軽減や社会的責任の強化が促進され、ジュエリー業界の未来に向けた変革が期待されています。
ハイブランドも採用!リサイクルゴールドの活用事例

世界的なハイブランドも、環境への配慮を強化し、リサイクルゴールドの活用を進めています。
例えば、ショパールやプラダといったブランドは、リサイクルされた貴金属を使用したジュエリーを発表し、サステナブルな製品づくりに取り組んでいます。
ショパールは1984年から自社の鋳造設備を備え、ゴールドのスクラップや製造時に発生する廃棄物を再溶解することで、未使用素材のリサイクルを実現してきました。そして、2018年には、時計やジュエリーのすべてをエシカルゴールドで製作することを達成しています。
一方、プラダが発表した「Eternal Gold」は、100%リサイクル認証ゴールドを使用したジュエリーラインです。伝統的な職人技と現代のラグジュアリーのあり方を融合させた、サステナブルなジュエリーを展開しています。
こうした取り組みにより、新たな採掘による環境破壊を抑えつつ、高品質なジュエリーの提供が可能になり、ジュエリー業界全体のサステナブルな進化を後押ししています。
リサイクルジュエリーの種類
リサイクルジュエリーには、貴金属を再利用する「リサイクルメタル」、デザインを変えて生まれ変わる「ジュエリーリフォーム」、美しさを蘇らせる「クリーニング」や「新品仕上げ」など、目的に応じたさまざまな方法があります。
金属を再利用する「リサイクルメタル」

リサイクルメタルとは、その名の通り、リサイクルされた金属素材のことです。「リファインメタル」や「再生貴金属」とも呼ばれますが、いずれも同じ意味を持ちます。
近年、廃棄された携帯電話やPCなどの電子機器に含まれる貴金属が新たな資源として注目され、「都市鉱山」と呼ばれるようになりました。
ゴールドやプラチナなどの貴金属は、これらの廃棄物から回収・精錬(不純物を取り除いて純度を高めること)され、新たなジュエリーとして生まれ変わります。
天然資源であるゴールドやシルバーは埋蔵量に限りがあり、採掘には多大な労力とエネルギーを要します。さらに、鉱山開発には高コストがかかるだけでなく、排水処理など環境への影響も懸念されています。
一方、リサイクルメタルは新たな採掘を必要とせず、廃棄物を再利用することで環境負荷を軽減できるサステナブルな素材です。
デザインを変えて生まれ変わる「ジュエリーリフォーム」
ジュエリーリフォームとは、手持ちのジュエリーのデザインを変更し、新たな形へと生まれ変わらせることです。
指輪をネックレスにしたり、古いデザインのリングをモダンなスタイルにリメイクしたりと、様々な方法があります。
リフォームの目的も多岐にわたり、受け継いだジュエリーを現代のファッションに合わせたり、長年愛用したアイテムを新しいデザインで楽しんだりすることが挙げられます。
また、思い出の詰まったジュエリーをそのままの素材で活かせるため、環境にも優しい選択肢といえるでしょう。
超音波洗浄・イオン洗浄でクリーニング

ジュエリーは長年の使用により、くすみが目立つことがあります。
しかし、定期的なクリーニングを行うことで、本来の美しさを取り戻せます。 クリーニングとは、ジュエリーに付着した汚れや皮脂、化粧品の成分などを除去し、本来の輝きを取り戻すためのメンテナンスです。
ジュエリーの素材に合わせて、超音波洗浄やイオン洗浄、専用のクリーニング剤などを使い、表面の汚れを丁寧に落とします。 定期的にクリーニングを行うことで、より長く美しい状態を維持できます。
新品仕上げで蘇るジュエリー

新品仕上げは、クリーニングに加え、ジュエリーの細かな傷を研磨し、購入時のような輝きを取り戻す加工です。
リングやブレスレットなど、日常的に使用するジュエリーは細かな傷がつきやすいため、新品仕上げを行うことで、滑らかで光沢のある美しい状態に整えられます。
また、プラチナやゴールドの再コーティングも施せるため、長年愛用したジュエリーも見違えるような仕上がりになります。
再研磨(リカット)による宝石のリサイクル

宝石の再研磨(リカット)は、傷がついたり輝きが鈍くなった宝石を修復し、美しさを蘇らせる方法です。
リカットでは、宝石の表面を微細に削ることで傷やくすみを取り除き、元の輝きを取り戻します。
また、カットの形状を変更したり、宝石を分割して形見分けとして活用することもできます。ただし、研磨を施すことで宝石の重量(カラット)は減少するため、事前に十分な打ち合わせを行った上で依頼することが重要です。
リカットによるリサイクルは、新しい宝石を購入しなくても、お手持ちのジュエリーを美しく保ち、長く愛用できるサステナブルな選択肢です。
環境にも優しく、思い出の詰まったジュエリーを次世代へ受け継ぐための大切な方法といえるでしょう。
パールジュエリーをリサイクルするメリット
パールジュエリーは、適切なケアを行うことで、美しい輝きを長く保ちながら楽しむことができます。また、環境に優しい宝石としても注目されています。
受け継がれるパールの価値

パールは、時代や流行に左右されることなく、世代を超えて愛され続けるジュエリーです。フォーマルな場面に欠かせないだけでなく、親から子へ、子から孫へと受け継がれることで、その価値はさらに深まります。
単なるジュエリーの枠を超え、持ち主の思いや大切な記憶をつなぐ存在として、パールは特別な意味を持ちます。
美しい輝きとともに、家族の絆や愛情を未来へと伝えていく、唯一無二の宝石です。日頃から丁寧にケアすることで、その価値を次の世代へと受け継ぐことができます。
エシカルな選択としてのパールジュエリー

ジュエリーの中でも、パールは養殖が可能で、環境に配慮した持続可能な宝石として注目されています。
特に、日本で確立された真珠養殖技術は、自然を守りながら高品質な真珠を生み出すエシカルな方法として、世界に誇れるものです。
かつて、天然真珠の乱獲によりアコヤ貝が絶滅の危機に瀕しました。しかし、御木本幸吉氏の研究によって真珠養殖技術が確立され、自然環境を守りながら安定して高品質な真珠を生産できるようになりました。
養殖のプロセスでは、貝に核を挿入し、海の中で自然に真珠層が形成されるのをじっくりと見守ります。
この方法は環境負荷が少なく、持続可能なジュエリーの生産を可能にするため、現代のサステナブルな取り組みの先駆けともいえるでしょう。
真珠を未来へつなぐ「リパール」の取り組み
ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)では、パールジュエリーを未来へとつなぐための取り組み「リパール」を実施しています。大切なパールジュエリーの美しさを回復させ、新たな魅力を引き出します。
パールジュエリーのリフォームで新たなデザインを楽しむ

パールジュエリーは、リフォームを施すことで時代やライフスタイルに合った新しいデザインへと生まれ変わります。
受け継いだパールジュエリーには、大切な思い出がたくさん詰まっています。しかし、デザインが現代のファッションに馴染まず、活用しづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
リフォームをすることで、クラシックなデザインをよりモダンなスタイルにアップデートし、お気に入りのジュエリーを長く愛用できるようになります。
大切な想いをそのままに、新しい魅力を加えたジュエリーとして、日常の様々なシーンで楽しんでいただけます。
【実例】ステーションネックレスへのリフォーム

お客様からご依頼いただいたリフォーム事例をご紹介します。
亡きお母様から受け継がれたシンプルなパールネックレスを、間にK18ゴールドチェーンを挟んで長くし、2連になるステーションネックレスへとリフォームしました。
デザインのポイントは、ネックレスの半分をゴールドチェーンを取り入れたステーションタイプに仕上げ、もう半分は一連パールのデザインを残した点です。
このリフォームにより、2つの異なるコーディネートを楽しめるようになり、フォーマルだけでなくカジュアルなシーンにも取り入れやすいネックレスへと生まれ変わりました。
受け継がれたジュエリーに新たな息吹を吹き込むことで、日常のさまざまなファッションに馴染む、特別なアイテムとなりました。
クリーニングでパールを美しくリフレッシュ

長年使用したパールジュエリーは、汗や皮脂、化粧品の影響でくすみが生じることがあります。
特に、汚れを長期間放置すると、真珠の表層が溶解し、表面に凸凹ができてしまうことがあります。
これにより、光の反射や屈折がうまくいかず、パール本来の美しい輝きが失われ、曇って見えることがあります。
ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)のパールクリーニングでは、マイクロ研磨技術を用いてパール表面を丁寧に整え、真珠特有の美しいテリ(光沢)を回復させることができます。
パールネックレスの糸替え・長さ調整・クラスプ交換
パールネックレスに使用される絹糸やワイヤーは、湿気や汗、汚れの影響を受けやすく、経年劣化しやすい部分です。
特に、冠婚葬祭などの重要な場面で切れてしまうトラブルを防ぐためにも、耐久性の高いGPT糸への交換をおすすめします。これにより、パールネックレスを安心して長くご愛用いただけます。
また、ネックレスの長さは、衿元の印象を大きく左右する重要な要素です。体型やシーンに合わせて適切な長さに調整することで、フォーマルな装いにもカジュアルなコーディネートにも柔軟に対応できます。
さらに、調整後に余ったパールはピアスやリングなどにリフォームすることも可能です。
片方だけ失くしたピアスやイヤリングの活用

片方だけ紛失してしまったパールイヤリングやピアスも、リフォームによって新たなジュエリーとして生まれ変わらせることが可能です。
残ったパールを活かし、ペンダントトップやリングへとリフォームすることで、別の形で再び楽しむことができます。
また、比較的新しい真珠であれば、同等のパールを見つけることができるため、新たにペアのイヤリングやピアスとして再制作することも可能です。
失くしてしまったからといって諦めるのではなく、リフォームを活用することで、思い出のジュエリーを引き続き愛用することができます。
まとめ:ジュエリーを未来へつなぐために

リサイクルジュエリーは、環境への配慮だけでなく、大切な思い出や価値を未来へつなぐ方法でもあります。
リサイクルメタルの活用は、限りある天然資源の枯渇を防ぐだけでなく、地球環境の保護にも貢献します。ジュエリー業界においても、サステナブルな選択肢として、今後ますます重要な役割を果たしていくでしょう。
ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)の「リパール」では、大切なジュエリーを美しく蘇らせるお手伝いをしています。
受け継がれたジュエリーをリフォームしたり、クリーニングすることで、新たな輝きを取り戻し、次の世代へと受け継いでいくことができます。
あなたも、一生もののジュエリーをリサイクルし、新たな価値を生み出してみませんか?ぜひお気軽にリパールカウンセラーにご相談くださいね。
ERIS VELINAのリパールはこちら>>パールリフォーム&クリーニング相談会!古い真珠が甦る『リパール』開催
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