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一見すると同じように見えても、その一粒一粒が個性を持ち、異なる色と輝きを放つ真珠。自然が生み出した宝石だからこその魅力と言えますが、この色の違いはどこから生まれるのでしょうか。
真珠の色はなぜ違うのでしょうか?真珠の色は、一言ではっきりと「白」「黒」とは言えないものがほとんどです。その理由は、真珠の色には、その真珠自身が持つ色と、その時の環境によって生まれる色があるからです。
また、真珠の色を長く楽しむには、どのような工夫が必要なのでしょうか。この記事では、真珠の色の違いや、美しい色を楽しむための良質な真珠の選びかたと保管方法について解説します。
真珠については、以下記事でも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。▶【真珠とは?】宝石としての真珠の定義や名前の由来、真珠養殖の歴史、世界に伝わる伝説を紹介
真珠の色を決める要素とは
真珠の色を決めているのは、実体色と干渉色と呼ばれる二種類の色です。このふたつの要素が掛け合わされて、人の目に映る真珠の色となっています。そのため、天然の真珠には全く同じものはありません。また、同じ粒であっても、その時の光の当たり方や環境によって見え方が変わります。
実体色
実体色とは、真珠そのものが持つ色のことで、ボディカラーとも呼ばれます。例えばアコヤ真珠は黄色、黒蝶真珠は黒の色素を持っており、人が見た時に何色の真珠に見えるかは、この「真珠が何色の色素を持っているか」に影響を受けます。(※写真左:無調色のホワイト、右:無調色のゴールデン)
干渉色
干渉色とは、外からの光が真珠にあたり、光の反射や屈折によって生み出される色のことです。真珠は、この干渉色を生み出す層がたくさん重なっていることにより、自然な状態のままで豊かな輝きを生み出しています。
特に干渉色は、真珠の外側(真珠の表面)だけの反射だけでなく、内面からの反射にも影響を受けるため、個々に異なる美しさを持つものです。(※写真:左側が干渉色のピンク〜右側が干渉色のグリーン)
テリ・巻きは真珠の色にも影響
真珠の色は、テリと巻きにも大きく関係しています。例えば、巻きが厚くてもテリの少ない真珠は、真珠層に均一性がないこともあり、柔らかな色合いにはなりません。また、光の透過性が十分でない場合は、透き通った美しさは生まれません。
真珠の美しい色は、様々な要素が複雑に関係しあいながら生まれる、唯一無二のものなのです。(※写真左:厚巻き/右:薄巻き)
真珠の黄ばみ
自然の中で生まれた真珠は、長く使ううちにその色も少しずつ変化していきます。真珠の色の変化として多いのが黄ばみです。
黄ばみは、真珠層内にあるタンパク質が、汗や汚れなどの影響を受けて変質することで起こります。変色の予防は真珠の着用後に拭くことが最も大切です。
真珠の色の種類
一般的に「真珠」と聞くと「白いアコヤ真珠」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は真珠には、様々な種類と色の系統があります。
ホワイト色
アコヤ真珠とシロチョウ真珠
真珠の中でも定番の色が、ホワイト系です。ホワイト系の真珠には、アコヤ真珠だけでなく、白蝶貝を母貝とする大粒のシロチョウ真珠などもあります。ホワイトパールは、真珠ならではの優しい色を楽しめるのが魅力のひとつです。(※写真左:アコヤ真珠/右:シロチョウ真珠)
ピンクとグリーンの干渉色
同じホワイト系であっても、グリーンの干渉色が強い真珠とピンクの干渉色が強い真珠とでは印象も異なり、選ぶ楽しみがあります。とくに品質の良いアコヤ真珠には、虹色のようなオリエント効果が出ることがあります。(※写真左:ピンクの干渉色/右:グリーンの干渉色)
グレー色
弔事の場で身に着けられることも多いグレーパールのネックレス。落ち着いた色合いが魅力のグレーパールには、自然そのままの色合いを持つナチュラルカラーと、加工によって色を整えたものがあります。
ナチュラルグレーの色は、真珠が育つ過程で真珠層に有機物が含まれ、偶然の要素が重なって生まれる奇跡的なものです。
一方、加工されたグレーパールには、コバルト処理(放射線照射により色を変化させる処理)や染色処理(天然・合成染料を用いて色を変える処理)が施されます。(※写真左:無調色、中:コバルト処理、右:染色処理)
ブルー色
コバルト処理によって核を黒褐色に変化させたグレーパールの中には、青みが強くブルーグレーの色合いになるものがあります。このようにコバルト処理で青みを帯びた真珠は、コバルトブルーパールと呼ばれています。
また、アコヤ真珠の養殖過程で真珠層に有機物が混入することがあります。有機物の種類や混入の度合いによって真珠がグレーに見えることがありますが、非常に稀に干渉色などの作用により強い青色に見える真珠が産出されます。
染色処理やコバルト処理を経ずに自然な青色を持つアコヤ真珠は、「無調色のブルーアコヤ真珠」や「ナチュラルブルーパール」と呼ばれています。
詳しくはこちら▶︎ナチュラルブルーの爽やかなアコヤ真珠|希少価値の高い青色をしたアコヤ真珠の魅力とは?
ブラック色
黒色の真珠と言えば、クロチョウ真珠です。南国タヒチで生産される黒蝶真珠は、多様な干渉色により、「黒」とは言ってもグリーンやレッドなどの奥深い輝きを持ち合わせる真珠です。
その中でも特に、孔雀の羽を連想させるピーコックグリーン系の黒蝶真珠は、その美しさで世界中から愛されています。黒蝶真珠によく似た名前の真珠として「黒真珠」がありますが、黒真珠は、染料で人工的に真珠を黒く染めたものも含まれます。(※写真左:黒く染めたアコヤ真珠、右:クロチョウ真珠)
ゴールド色
ゴールドの色を持つ真珠の中で最も有名なのが、ふちの内側が金色の白蝶貝(ゴールドリップ)から採取されるゴールデンパールです。母貝の中で、この金色のふちの色が層を重ねながら、美しいゴールデンパールに育ちます。
また、ホワイト系の真珠のイメージが強いアコヤ真珠にも、黄色味をおさえる研究が続いた結果、希少になりながらもゴールデンパールが存在します。ゴールデンパールの色にも、天然色のものと染色のものがあります。(※写真左:無調色/右:染色)
真珠の色の身に着けかたと楽しみかた
色味や輝きによってさまざまなシーンで着用でき、コーディネートを楽しめるのも真珠の魅力の一つです。ホワイトやゴールデンの真珠は、身に着ければぱっと明るい印象になるので、パーティーなどの慶事にぴったりです。
そしてグレーパールやクロチョウ真珠のネックレスは、通夜や葬式といった故人を偲ぶ弔事に身につけましょう。また、肌の色のタイプ(パーソナルカラー)に合わせて相性の良い真珠の色を選べば、より身に着ける人の女性らしさや美しさを引き立ててくれます。
真珠の色を長持ちさせる秘訣とは
真珠は一生もののジュエリーです。購入するときの美しい色を長く楽しむためには、良質な真珠を選ぶということはもちろんのこと、購入後のお手入れも大切です。
巻きの厚い真珠を選ぼう
巻きの厚さがしっかりとある真珠は長持ちします。一般的に真珠の巻きは、母貝の中にいる時間が長ければ長いほど、厚く形成されます。
そのため、巻きが厚い真珠は、母貝の中でしっかりと育った証拠なのです。真珠層の巻きが薄いと、美しい干渉色を楽しめないだけでなく、劣化も早くなるので注意が必要です。(※写真左:厚巻き/右:薄巻き)
加工傷のある真珠は避けよう
真珠の傷には、天然傷と加工傷の2種類があります。天然傷とは、真珠が育まれる途中でついてしまう凹凸やしわなどの傷のことで、ほとんどの真珠には程度の差こそあれ、天然傷が含まれます。ごく小さな天然傷は、自然が育んだ証拠であり、品質には問題ありません。
一方、加工傷とは、製品に加工する途中で真珠についてしまう傷のことです。品質の低い浜揚げ珠を過剰に染色・漂白・研磨したことが原因であることが多く、劣化が早いので避けたほうがいいでしょう。
真珠は拭くだけで長持ちする
真珠のペンダントやネックレスは、身に着けている間にどうしても汗や皮脂がついてしまいます。そのままにしておくと真珠の劣化や変色の原因となってしまうため、使った後には乾いた清潔な布で拭く、湿気の少ない場所で保管するといったことに気を付けましょう。
それだけでも、真珠の美しい色を長く楽しめます。また、お手入れに対応してくれる店舗で購入すれば、将来子どもに譲る際に真珠の状態をチェックしてもらえます。
信頼できるお店で購入しよう
真珠の良しあしを判断するのは難しいものです。そのため、見た目だけで購入するのではなく、真珠のプロが在籍する真珠専門店で選びましょう。
専門店なら、良質で購入しやすい価格のものの中から選べます。わずかな天然傷や変形は劣化に影響しないので、予算を抑えたい方は小さな天然傷や変形がある真珠の中からテリや色の良い真珠を選ぶも楽しみかたのひとつです。
真珠のテリと色にこだわったブランド
真珠は一粒一粒に個性があり、全く同じ色や輝きを持つものはふたつとない宝石です。その色の理由や、実体色・干渉色について知ることで、ますます大自然の素晴らしさに魅了される人も多いのではないでしょうか。まさに、真珠は自然が育んだ奇跡の宝石なのです。
ERIS VERINA (エリスヴェリーナ)では、上質な無調色真珠だけを厳選し、一生もののジュエリーとして長く愛されるペンダントやネックレスに仕上げています。また、真珠専門店として、お手入れも丁寧に対応しています。
真珠の色との出会いを大切に、ぜひ自分にぴったりの真珠選びを楽しんでくださいね。
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