真珠貝は食べられる?アコヤ貝の貝柱は「幻の珍味」。意外と知らない世界の真珠貝の食用事情

真珠貝は食べられる?アコヤ貝の貝柱は「幻の珍味」。意外と知らない世界の真珠貝の食用事情

真珠は真珠貝から作られることは広く知られていますが、真珠を取り出した後の貝をそのまま捨ててしまうのはもったいない気がしますよね。

実は多くの真珠貝の貝柱や身は、美味しく食べられるのです。アコヤ真珠養殖の名産地では、真珠を取り出した後のアコヤ貝の貝柱は高級珍味として地元の人たちに親しまれていました。今回の記事では、意外と知られていない世界の真珠貝の食用事情について解説します。

なお、真珠貝については次の記事で詳しく紹介されています。▶︎真珠は何の貝から採れる?真珠貝(パールオイスター)の種類と仕組み、意味を徹底解説

目次

真珠を取った後の真珠貝。捨てるのは「もったいない」「かわいそう」

真珠貝

アコヤ真珠を育むアコヤ貝は、母貝の育成に約2年、真珠の核入れを行った後に本養殖が約7カ月~2年以上と、実に4〜5年かけて養殖されます。そんなに長い期間養殖しても、取れる真珠はたった一粒。

ものを大切に扱い資源を無駄にしない日本人の感覚からすると、なんとなく「もったいない」し「かわいそう」な気がしてしまいますよね。

 

アコヤ貝の貝柱は地元では高級珍味

実はアコヤ貝の貝柱は珍味として、古くから地元の人たちに楽しまれていました。「アコヤ貝の貝柱なんて見たことがない」という方も多いかもしれません。

アコヤ貝の貝柱は、アコヤ貝が水揚げされる12月~1月のわずか1か月ほどの期間しか取れない季節もの。真珠を取り出した後のアコヤ貝から、新鮮な貝柱を切り出します。しかも、アコヤ貝の貝柱は傷みが早いため、最近までは地元以外にはほとんど流通していませんでした。

 

アコヤ貝の貝柱ってどんな味?

新鮮なアコヤ貝の貝柱は、身がプリプリと引き締まっており、シャキシャキ、コリコリとした食感が特徴的です。凝縮された貝柱のうま味と甘みがあり、噛めば噛むほどお口の中に味わいが広がります。

一年のうちでわずか1カ月ほどしか収穫できず、しかも地元以外ではめったにお目にかかれない希少な食材なので、「幻の珍味」とも言われています。

 

冷凍による通販販売も

以前は、真珠の養殖地以外ではほとんど流通していなかったアコヤ貝の貝柱ですが、近年では最新の冷凍技術を駆使して、冷凍配送で全国の消費者の手に届けられるようになりました。

傷みやすい貝柱の鮮度をしっかり保ち、解凍して生で食べられるものもあります。「真珠貝の貝柱を食べてみたい」という方は、ぜひお取り寄せしてみてください。

 

アコヤ貝の貝柱の美味しい食べ方やレシピ

アコヤ貝の貝柱は、刺身、あえ物、酒蒸し、バター炒め、天ぷら、炊き込みご飯など、さまざまな料理で楽しまれています。ホタテよりも弾力があるコリコリとした食感が魅力で、加熱しすぎないのがコツです。

アコヤ貝の貝柱を美味しく食べられるレシピはいろいろなサイトで紹介されているので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

 

アコヤ貝以外で食べられる真珠貝

真珠貝

真珠にはアコヤ真珠以外にもいろいろな種類がありますが、アコヤ貝以外の真珠貝も食べられるのでしょうか?

実は、真珠貝の多くが食用可能です。アコヤ貝以外に世界で食されている真珠貝をご紹介します。

 

クロチョウガイ(クロチョウ真珠)

黒蝶貝のオリーブオイル

フランス領ポリネシアのタヒチなどで養殖されている黒蝶貝は、長さ10~15cm程度の大型二枚貝です。しっとりと濡れたような美しい黒色をした黒蝶真珠を育む真珠貝ですが、タヒチ周辺では真珠を取った後の貝を「korori(コロリ)」と言って食べることがあります。

地元ではタンパク質やミネラルが豊富で栄養価の高く、真珠の副産物として安価で手に入る食材として食べられています。

黒蝶貝について詳しくは▶︎黒蝶真珠は「黒真珠」と違う?どこで買う?正しい選び方からネックレスやペンダントの使い方まで解説

 

ピンクガイ/クイーンコンク(コンクパール)

コンク貝料理

フレームと呼ばれる火焔模様が見られるピンク色のコンクパールは、天然のピンク貝からごく稀に見つかる稀少な真珠です。

母貝であるピンク貝は、アメリカのフロリダキー諸島、バハマ諸島、西インド諸島などの、カリブ海域に生息している大型の巻貝です。カリブ海周辺の島々では、古くからコンク貝が食用にされてきました。

フロリダやバハマのレストランでは、コンク貝を使った料理が出されています。コンク貝の身は大ぶりで、アワビに似た弾力があるのが特徴。海から採ったばかりの新鮮なコンク貝なら、サラダや刺身として生食も可能です。

一般的には調理前に身を叩いて柔らかくしたものをフリッターやバター焼きにしたり、コンク貝を具材としてチャウダーにしたりして食べられています。

コンクパールについて詳しく▶︎コンクパールとはどんな真珠?ピンク色の火焔模様が美しい天然真珠の産地から特徴、値段まで解説

 

ハルカゼヤシガイ/ヤシガイ(メロパール)

ハルカゼヤシガイ(メロパール)

希少価値の高いオレンジ色の天然真珠、メロパールの母貝であるハルカゼヤシガイも、食べられる真珠貝の一つです。

ハルカゼヤシガイは、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、台湾、インドネシアなど、南シナ海の海域で生息している大型の巻き貝です。

地元の漁師たちには食用として日常的に採取されている貝で、現地のレストランでメニューになることも少なくありません。食用目的で採取されていますが、ごく稀にメロパールが発見され、その希少価値の高さから高額で取引されています。

メロパールについて詳しく▶︎メロパールとはどんな真珠?数千万円で取引されるなど、稀少価値の高いオレンジ色の天然真珠

 

アワビガイ(アバロンパール)

アワビステーキ

真珠貝としてよりも高級食材として知られるアワビは、食べられる真珠貝の代表格です。見た目は平たい一枚貝ですが、ミミガイ科に属する大型の巻貝です。日本、アメリカ、メキシコ、ニュージーランドなどが主な産地で、ごく稀に真珠が産出されます。

アワビの特徴は、コリコリとした独特の歯ごたえと、肉厚な身です。お刺身などの生食、酒蒸し、ステーキ、煮物など幅広い料理で楽しまれています。

アバロンパールについて詳しく▶︎アワビ貝から真珠が取れる?アワビ真珠の作り方からできる確率、宝石としての価値まで解説

 

イケチョウガイ(淡水真珠)

現在では淡水パールの99%が中国産ですが、淡水パールの母貝であるイケチョウガイはもともと琵琶湖の固有種です。現在でも微量ではありますが、琵琶湖や霞ヶ浦で質の高い国産淡水パールが生産されています。

霞ヶ浦ではイケチョウガイは「たん貝」と呼ばれ、湖岸で獲った貝を食用にしていたそうです。

イケチョウガイの身は硬めで、切り干し大根と油でいためて味噌味にして煮込むなどとして、地元の人たちに日常的に食べられていました。

淡水パールについて詳しく▶︎淡水パールはなぜ安い?【3大理由と本当の価値】普段使いの魅力も徹底解説!

 

真珠貝グルメを楽しみたいなら、ぜひ真珠の産地へ!

真珠の産地

今回の記事では、「美しい真珠を育む真珠貝も食べられるのか?」という素朴な疑問にお答えしました。

日本が高い養殖技術を誇るアコヤ貝だけでなく、黒蝶真珠、イケチョウガイ、ピンク貝、ハルカゼヤシガイなども世界で食されています。高級食材として知られるアワビも美しい真珠を産出することがあるので、食べられる真珠貝の一つです。

養殖にしろ天然にしろ、真珠を取った真珠貝は死んでしまいます。地元で古くから真珠貝の貝柱や身が珍味として楽しまれていたというのも、真珠貝が与えてくれる副産物を大切にしようという感謝の気持ちからでしょう。

今回の記事で「真珠貝を食べてみたい」と思った方は、ぜひ真珠の産地を訪れてみてください。真珠の産地では真珠の取り出し体験や真珠貝を使ったグルメなどを楽しめます。

産地について詳しく▶︎【真珠の産地】日本の三大産地の養殖の歴史や真珠の特徴、世界の真珠産地まで徹底解説

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