メロパールとはどんな真珠？数千万円で取引されるなど、稀少価値の高いオレンジ色の天然真珠

メロパールの母貝と産地

メロパールという名称はハルカゼヤシガイの学名メロ・メロに由来しており、英語では「Melo Pearl」と表記します。和名では、春風貝（ハルカゼガイ）や椰子貝（ヤシガイ）とも呼ばれています。

メロパールの母貝

メロパールは、ガクフボラ科ハルカゼガイ属に属するハルカゼヤシガイを母貝とし、ごく稀に採取できる天然真珠です。ハルカゼヤシガイは長さ30cm以上にもなる大型の巻貝で、内側は美しい虹色をしています。

メロパールの産地

メロパールの産地は、ハルカゼヤシガイの生息するミャンマー、ベトナム、フィリピン、台湾、インドネシアなど、南シナ海の海域です。ハルカゼヤシは水深約10m～30mの砂泥池に生息しており、現地では食用されています。

メロパールができるまで

ハルカゼヤシガイは養殖の難しい巻貝なため、メロパールは全て天然の真珠です。ハルカゼヤシガイが異物を体内に取り込んで偶然に形成され育ちます。そして、食用に採取された貝の中から偶然見つかったものがメロパールとして珍重されるのです。

メロパールの宝石的価値

メロパールは他の真珠と比べ、サイズ、カラー、光沢、形などにどのような特徴があるのでしょうか？ここからは、メロパールの宝石的価値について解説します。

サイズ

メロパールの母貝であるハルカゼヤシガイは30cm以上になるものもある大型巻貝です。そのため、コンクパールなど他の巻貝から採取されるパールに比べると、直径30mm以上の非常に大きな真珠が採れることもあります。

もちろん、メロパールは小粒のものでも希少なので、大粒のものとなるとさらに滅多に見つからない超希少な天然真珠と言えるでしょう。

カラー

メロパールの色合いは淡く優しいオレンジカラーが多く、他にも白、黄色、オレンジ、赤褐色などのメロパールが見つかっています。

光沢（テリ）

メロパールは真珠層を持たない交差板構造からなる真珠です。交差板構造とは斜めに傾いた状態にある層と、隣あう逆方向に傾いた層が交差することで形成される構造です。このため、メロパールでは通常のパールに見られる虹色の真珠光沢は見られず、波状の火焔模様（フレーム）という現象が現れます。

形

メロパールはラウンド、オーバル、ドロップ型など、さまざまな形のものがあります。最も価値が高いとされるのは真円に近いものです。

メロパールの値段

メロパールは数ある真珠の中でも、最も希少性が高く、最も値段の高い天然真珠と言われています。メロパールはどうして高価なのでしょうか？ここからはメロパールの値段相場や、値段が高い理由を解説します。

メロパールは他の真珠よりも高い？

メロパールは大変希少な天然真珠なので、アコヤ真珠や南洋真珠などよりもはるかに高い値段で取引されています。

タイの漁師がたまたま見つけた大粒のメロパールの約3600万円で取引されたというケースや、1999年に香港で開催されたクリスティーズのオークションでメロパールが約8700万円で落札されたケースなどは、世界的なニュースにもなりました。

メロパールは直径15～20mmのものでも1粒で数百万円することは珍しくなく、高級自動車一台が購入できるほどのお値段です。

メロパールが高い理由

わずか1粒の真珠が数百万円で取引されるというメロパール。アコヤ真珠や南洋真珠とは比べ物にならないくらい高額ですが、メロパールはどうしてこんなにも高額なのでしょうか？

メロパールのハルカゼヤシガイは、世界でも南シナ海の海域でしか生息していない貝です。しかも巻貝なので養殖することが難しく、食用として収獲されたハルカゼヤシガイの中から極稀に見つかることがある副産物でしかありません。

アコヤ真珠や南洋真珠といった養殖真珠はもちろん、天然真珠が主流のアワビパールと比べても、メロパールは圧倒的に流通量が少ない真珠です。市場に出回っているメロパールはごく僅かで、店頭に並ぶことはほとんどないくらい希少な存在だからこそ、値段も桁違いに高いのです。

メロパールは希少価値の高い天然真珠

一粒で数百万円から数千万円するものもある非常に希少で高価なメロパール。日本の宝飾市場に出回ること自体が珍しい真珠なので、もし実物を見る機会があるだけでもラッキーと言えるでしょう。

無調色真珠の専門ブランド『ERIS VELINA（エリスヴェリーナ）』では、メロパールのお取り扱いこそありませんが、アコヤ真珠、白蝶真珠、黒蝶真珠、ゴールデンパールといった幅広い真珠のジュエリーをご用意しています。

真珠と一口に言っても真珠の種類によって雰囲気がかなり異なり、それぞれの魅力があります。自分に似合う真珠をぜひ見つけてください。 

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