金魚真珠とは?廃棄されていた「鬼バロック真珠」がサスティナブルなジュエリーに大変身

金魚真珠とは?廃棄されていた「鬼バロック真珠」がサスティナブルなジュエリーに大変身

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養殖真珠では時折、真円にならずに変形してしまう真珠が見られます。これらの真珠は、商品価値が大幅に下げられ、特に尾ひれのような突起がついたものは加工しにくく見た目にもよくないとされ、テリやマキのよくない鬼バロック真珠は廃棄されることが多かったそうです。

そんな廃棄される真珠にスポットライトをあて、新たな価値を生み出した「金魚真珠」という真珠をご存知でしょうか。 今回は、SDGsにも貢献できるサスティナブルジュエリーとしても注目される金魚真珠について、どのような真珠なのか、さまざまな魅力をご紹介します。

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 真珠については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

【真珠とは?】宝石としての真珠の定義や名前の由来、真珠養殖の歴史、世界に伝わる伝説を紹介

金魚真珠とは?

金魚真珠とは?

真珠と言えば真円の球体をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、自然のなかで形成される真珠は、時に歪んだり突起ができたりすることもあります。これらの形が歪になった真珠はバロックパールと呼ばれて価値が下がったり、テリやマキの悪いものは廃棄となったりしていまいます。

特に、尾ひれのような突起のついたバロックパールは「尻尾付き真珠」や「鬼バロック」と呼ばれ、廃棄されることも多かったそうです。 そんな尻尾付き真珠に新たな価値を与え、ジュエリーへと昇華させたのが「金魚真珠」というアイデアでした。

養殖真珠を名産品として扱う三重県伊勢志摩の真珠ブランド「セブンスリー」に所属するクリエイティブディレクター尾崎ななみ氏が考案したのは、尻尾付き真珠を金魚に見立てた新しい商品展開です。2020年3月には、株式会社サンブンノナナを商標権者として金魚真珠が商標登録されています。

「歪な形の真珠」が「金魚のような可愛い真珠」として新しい価値を与えられ、近年人気が高まっています。

 真珠の色やテリ、巻きについては以下の記事でも紹介しています。

真珠の色はなぜ違う?真珠の干渉色や実体色、テリ・巻きとの関係、色が長持ちするお手入れまで徹底解説

金魚真珠ができる確率

真珠養殖の挿核現場

日本の真珠養殖産業は世界でもトップレベルと言われており、高品質の真珠を作り出すことが可能です。しかし、高い技術を持つ日本の真珠養殖産業であっても、バロックパールができてしまうことは避けられません。

バロックパールには、金魚真珠となる突起型のほか、涙型、ポテト型、ライス型などさまざまな形があります。そのなかの約1割は尻尾付き真珠と言われており、その中でもテリやマキの悪いものは廃棄されてきました。

 

SDGsにも貢献できる金魚真珠

SDGsにも貢献できる金魚真珠

金魚真珠が注目を集める背景には、世界で推進されているSDGsも影響していると考えられるでしょう。 SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称で、2030年までに達成することを目指す国際的な目標です。SDGsで設定されている17の目標はそれぞれ細分化され、日本でも国、企業、個人がSDGs達成を目指して積極的に取り組んでいます。

金魚真珠は、目標12「つくる責任つかう責任」や目標14「海の豊かさを守ろう」などの目標達成に貢献していると言えるでしょう。形が歪だからと廃棄せずに新たな価値を見出すことで、環境保護や廃棄資源の有効活用に繋がることでも注目を集めています。

 

【目標12:つくる責任つかう責任】金魚真珠で廃棄を減らす

SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」では、限りある地球の天然資源を効率的に利用することなど目標として設定されています。廃棄物の発生防止や再利用、削減などが具体的な例として挙げられるでしょう。

古くから真珠業界では、食用にはならないアコヤ貝の貝肉を追肥にし、農業に活用する取り組みが行われてきました。廃棄されてきた尻尾付き真珠や貝肉などを再利用するアイデアは、目標12「つくる責任つかう責任」に大きく貢献できる取り組みです。

 

【目標14:海の豊かさを守ろう】国内真珠産業は海洋資源を守っている

世界でも有数の真珠産業を誇る日本では、海洋資源を適正に維持しつつ真珠養殖を行ってきた実績があります。 適正密度での養殖を行うことで、アコヤ貝が植物プランクトンを餌として食べ、プランクトンの異常増殖を防ぎ海中環境の正常化に貢献しています。養殖真珠を行うことで海が綺麗になっているのです。

 

金魚真珠はサスティナブルジュエリーとして人気

金魚真珠の人気の理由は、世界に一つだけという唯一無二のデザインにもあります。バロックパールは自然によって作られるため、人の手で歪んだ形の真珠を意図的に形成させることはできません。 金魚真珠に用いられる尻尾付き真珠も同様に、同じものを養殖しようと思っても不可能でしょう。

全く同じ形の金魚真珠は存在せず、どれもがオンリーワンのデザイン性を持ちます。 その他、金魚真珠は着色せずに自然な色合いで製品化しているのも特徴的です。染色せずに自然の色合いを残すからこそ、形と色それぞれが世界でたった一粒の真珠になります。

バロックパールは真円ではないものの成分的には真珠と同等であるため、適切なお手入れを行うことで長く美しさを維持できるサスティナブル(持続可能な、という意味)なジュエリーです。 本来は歪みとして弾き出される短所や染色しない自然な色合いを、「唯一無二」という長所に変えつつ真珠本来の品質の良さを併せ持った金魚真珠。金魚真珠は、さまざまな付加価値で注目されています。

 サスティナブルなジュエリーとしての真珠については以下の記事でも紹介しています。

【エシカルパール】エシカル消費の側面から考えるSDGsな「パールジュエリー」の魅力とは

養殖技術の発達によって注目されるバロックパール

鬼バロックパール

金魚真珠をはじめとするバロックパールが注目を集めるのは、近年めざましい発達を遂げた養殖技術にあると言えるでしょう。 養殖技術が確立するまでは、真珠は真円こそが価値あるものとされ、歪な形のバロックパールは価値の低いものとされていました。それは、天然真珠から真円が形成されにくく、非常に希少であったことが原因です。

しかし、養殖技術が確立し、真円の真珠を生み出せるようになってからというもの、従来の天然真珠と比べるとバロックパールは少なくなりました。時間をかけて何層にも真珠層が重なり、テリやマキの良いバロックパールの宝石的価値は非常に高いと言えます。同じ形が2つとない上質なバロックパールは、まさに掘り出し物の宝物のような魅力が感じられ、市場から求められているということです。

 真珠の養殖技術の歴史については以下の記事でも紹介しています。

世界の真珠養殖と歴史についてはこちら▶【真珠の歴史を解き明かす】東洋・西洋の文化を辿る真珠の魅力と養殖技術の進化とは

日本の親油養殖と歴史についてはこちら▶【真珠の産地】日本の三大産地の養殖の歴史や真珠の特徴、世界の真珠産地まで徹底解説

丸い真珠とバロックパールは上手に使い分けて

真珠の形

さまざまな魅力あふれるバロックパールですが、バロックパールを用いたジュエリーを身に付ける際には注意が必要です。 真珠は、日本のフォーマルジュエリーとして冠婚葬祭などでも用いられます。フォーマルジュエリーとして用いられる真円の真珠は「角が立たない」という意味を持ち、円満や調和を象徴する宝石です。

一方、バロックパールには「歪だ」として排除されてきた歴史もあり、フォーマルな席の装いは相応しくないという考え方があります。 可愛らしさや個性を演出できるバロックパールは、カジュアルなシーンや日常使いに最適。一方で、上品さや上質さが伝わる真円の真珠はフォーマルなシーンで使うなど、同じ真珠と言えどもTPOに合わせて使い分けるようにしましょう。

 真珠を持つ意味については以下の記事でも紹介しています。

真珠が持つ意味とは?冠婚葬祭・嫁入り道具・厄除けにぴったりなパールネックレスを徹底解説!

バロックパールという真珠の新たな可能性

真珠の形一覧

バロックパールに新たな可能性を与える金魚真珠の魅力について紹介してきました。SDGsにも貢献できるサスティナブルジュエリーとして、金魚真珠はますます注目を集めることでしょう。

ERIS VELINAでは、金魚真珠の取り扱いはありませんが、同じ真珠業界に新しい可能性が生まれることは大変喜ばしいことです。さまざまな真珠の魅力を多くの方に知って頂き、さらに真珠を愛してもらえることを願っています。

ERIS VELINAでは上質な真円の真珠ネックレスをはじめとするさまざまなジュエリーを取り扱っています、フォーマルなシーンはもちろん、カジュアル使いにおすすめの一粒ペンダントトップやイヤリングなども取り扱っておりますので、真珠ジュエリーをお求めの方はぜひERIS VELINAをご利用ください。

 ■真珠に関連する記事

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