ホタテから真珠がとれる？スキャロップパールがとれる理由や確率、真珠を作る貝10種を紹介

SNSで「食用ホタテから真珠らしきものがでてきた」という発信が話題になったことをご存知でしょうか。また、あるテレビ番組では有名人が食べていたホタテから真珠が出てきた驚きのシーンが放送されたこともあり「真珠ってホタテから採れるものなの？」と驚いた人も多いのではないでしょうか。

一般的に真珠はアコヤ貝から採れるものが主流として知られていますが、実はホタテやアワビ、牡蠣などさまざまな貝から採れます。また、親となる母貝によって真珠はさまざまな名称で呼ばれ、色や大きさなども多種多様となり、それぞれの魅力を発揮します。

今回は、アコヤ貝以外の貝から採れる真珠についてみていきましょう。なぜ、ホタテなどアコヤ貝以外のものから真珠が採れるのか？真珠が採れる確率などを知ると、ますます真珠の神秘的な魅力を知ることができます。

真珠についてもっと知りたい、という人はぜひ最後までご覧ください。

真珠については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

▶【真珠とは？】宝石としての真珠の定義や名前の由来、真珠養殖の歴史、世界に伝わる伝説を紹介

真珠が採れる定番の貝はアコヤ貝

現在、世界各国で取引される真珠の多くはアコヤ貝を母貝とするものです。アコヤ貝は養殖真珠の母貝として用いられ、令和2年には約15,776kg（約127億円相当）の国産養殖真珠が生産されています。

国内では、愛媛県、長崎県、三重県が真珠養殖の三大産地とされ、「真珠＝アコヤ貝」と認識している人も多いのではないでしょうか。 これまで世界各国で、さまざまな貝を用いた養殖真珠に関する研究・実験が行われてきましたが、最初に事業として安定的に養殖真珠が形成できたのはアコヤ貝でした。

日本の真珠養殖の産地や歴史については以下の記事でも紹介しています。

▶【真珠の産地】日本の三大産地の養殖の歴史や真珠の特徴、世界の真珠産地まで徹底解説

SNSで食用ホタテから真珠が出てきたと話題に

真珠を形成する貝として代表格であるのはアコヤ貝ですが、真珠層があればどのような貝でも真珠や真珠に似た物質ができる可能性はあります。 SNSでは、ある投稿者が食べていたホタテのなかから真珠のような結晶を見つけたと投稿され、「ホタテから真珠が採れるの？」と驚いた閲覧者によって瞬く間に拡散されました。

ホタテからとれる真珠はスキャロップ真珠と呼ばれます。主にアメリカ産のホタテなどから発見されるケースが高く、大変希少価値が高いと言われている真珠です。元々、ホタテは真珠を形成する可能性が低い貝であるため、スキャロップ真珠は大変珍しく高値で売買されることがあります。

そんなスキャロップ真珠が国産の食用ホタテで形成される割合は極めて低く、SNS投稿主はとても珍しい体験をしたと言えるでしょう。

ホタテ貝から真珠がとれる確率

スキャロップ真珠は、天然ものであるため市場に出回ることは滅多にないと言われています。採取されることの多いカリフォルニア産ホタテのなかでも、宝石的な価値があるものは10～100万個に1つしか採れないとも言われているなど大変珍しい真珠です。

真珠と聞くと丸い形をイメージしますが、天然真珠は小さな粒上のものや歪な形のものも養殖真珠に比べると多くなります。天然真珠しか存在しないスキャロップ真珠は、特に小粒なものや変形しているものも多いです。

今回SNSで投稿されたものも、約5mm程度の小粒で大きめの石と見間違えてしまいそうなものでした。

なぜホタテから真珠がとれるの？

ホタテにどうして真珠が形成されるのかを知るには、真珠が形成される仕組みを知る必要があります。 天然真珠の形成される仕組みは以下のとおりです。

1. 真珠層を持つ母貝の外套膜と貝殻の間にある真珠袋に核となる物質が入る
2. 核が真珠層で覆われる
3. 年月をかけて真珠層が何重にも重なることで真珠になる

【アコヤ貝以外にも】真珠が採れる貝は色々ある

真珠として認められるには以下の5つの定義を満たす必要があります。

1. 母貝が真珠層を持っている
2. 真珠袋が構築されている
3. 真珠袋内で真珠が形成されている
4. 表面全体が真珠層で覆われている
5. 宝石的価値がある

ホタテからとれるスキャロップ真珠は、真珠層ではなくカルサイトという物質で表面が覆われていますが、宝石的価値を認められて真珠の一種とされています。1～4もしくは5を満たす物質だけが真珠として認められ、真珠を生み出す貝には以下のものがあります。

• ホタテ貝
• 牡蠣
• アワビ
• タイラギ貝
• シロチョウ貝
• クロチョウ貝
• イケチョウ貝
• メロメロシェル
• マベ貝
• コンクシェル

さまざまな母貝から採れる真珠10種

最後に、さまざまな母貝からとれる真珠を紹介します。母貝によって見た目や大きさも多種多様となる真珠は大変魅力的な宝石です。

1.【ホタテ貝の真珠】スキャロップ真珠（スキャロップパール）

スキャロップ真珠は、ホタテから採れる真珠です。宝石的価値があるものが発見される割合は10～100万個に1個と言われており、希少価値が高く高品質のものは100万円以上で取引されることもあります。

希少でお目にかかれること自体が珍しいため、スキャロップ真珠は持った人を幸せにする幸運の真珠としても愛されています。

2.【牡蠣の真珠】オイスター真珠（オイスターパール）

オイスター真珠は、牡蠣から採れる真珠です。主に、メキシコ産やアメリカ産の食用牡蠣から発見されることが多く、スキャロップ真珠同様に希少価値が高いとされています。

3.【アワビの真珠】アバロン真珠（アバロンパール）

アバロン真珠は、アワビから採れる真珠です。日本にはアワビから採れる真珠を「鮑玉」と呼ぶ地域もあります。アバロン真珠も希少性が高く、虹色に輝く美しいカラーが特徴です。

4.【タイラギ貝の真珠】ガイヨ真珠（ガイヨパール）

ガイヨ真珠は、タイラギ貝（平貝）から採れる真珠です。タイラギ貝は、日本では食用貝として高値で取引されることがありますが、真珠を形成することはあまり知られていません。

5.【シロチョウ貝の真珠】シロチョウ真珠（シロチョウパール）

シロチョウ真珠は、シロチョウ貝から採れる真珠です。シロチョウ貝は南洋に生息するため、シロチョウ真珠は南洋真珠とも呼ばれます。白や銀、シャンパン、金など色鮮やかな真珠を形成するのが特徴です。

6.【クロチョウ貝の真珠】クロチョウ真珠（クロチョウパール）

クロチョウ真珠は、クロチョウ貝から採れる真珠です。クロチョウ貝からは、黒やグレーダークグリーン、ダークレッドなどの深い色味の真珠が採れます。クロチョウ真珠のなかでも特に希少価値が高いカラーである「ピーコック・グリーン」は、全体の3％程度しか発見されないレア真珠です。

7.【イケチョウ貝の真珠】淡水真珠（淡水パール）

淡水真珠は、イケチョウ貝などをはじめとする淡水生の母貝から採れる真珠です。淡水真珠は比較的低価格で取引されているため、リーズナブルで入手しやすい一方、高級さや上質さを感じにくい傾向にあります。ファッションパールと呼ばれることもあります。

8.【メロメロシェルの真珠】メロ真珠（メロパール）

メロ真珠は、メロメロシェルから採れる真珠です。メロメロシェルの和名は、ハルカゼヤシガイと言い、マレーシアやインドネシアに生息しています。真珠のカラーは鮮やかなオレンジ色です。全長25cmになるものもある大型の貝類であるため、過去にはゴルフボール大の真珠が採れたという記録もあります。

9.【マベ貝の真珠】マベ真珠（マベパール）

マベ真珠は、マベ貝から採れる真珠です。色彩豊かな虹色の光沢を持つマベ真珠は高く評価されており、養殖が可能になるまでは「幻の真珠」と呼ばれ希少価値の高い真珠として扱われていました。現在は世界的真珠ブランドTASAKIが養殖に成功し、市場に流通するようになっています。

10.【コンクシェルの真珠】コンク真珠（コンクパール）

コンク真珠は、コンクシェルから採れる真珠です。コンク貝は、カリブ海などに生息する貝でピンク色の真珠が形成されます。乱獲によって生息数が減少している一方、現地では食用として需要が高いため、絶滅が危惧されている貝です。

養殖技術は確立されておらず、コンク天然真珠の形成確率は1/10000程と言われているため、世界で最も希少な真珠と言われています。

知るほどに深まる真珠の魅力

一般的なジュエリーに用いられるアコヤ真珠以外にも、ホタテやカキ、アワビなどさまざまな貝から真珠が採れることに驚いた方も多いのではないでしょうか。これらの真珠は、大変希少価値が高くなかなかお目にかかることがありません。

しかし、知れば知るほど母貝によってさまざまな姿を見せてくれる真珠に魅力を感じていただけることでしょう。ERIS VELINAでは、さまざまな魅力溢れる真珠のジュエリーを取り扱っております。眺めるだけでは勿体ない、魅力溢れる真珠を身に着けてみてはいかがでしょうか。

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