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近年ファッション業界、ジュエリー業界で注目を集めているバロックパールをご存知でしょうか?バロックパールは、偶然作られる自然の宝石・真珠のなかでも、世界に1粒だけの唯一無二のパールとして注目されています。
この記事では、バロックパールとはどのような真珠なのか、淡水パールとの違いや選び方、お手入れ方法なども紹介します。バロックパールについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
▶真珠の種類については以下の記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
【真珠の種類】養殖・天然真珠の名称を一挙紹介!シーン別に選びたい真珠の種類やパールネックレスとは
バロックパールってどんな真珠?
バロックパールとは、一般的な球体の真珠とは異なり、凹凸などがある真珠の事を言います。
真珠は母貝によって形成される自然の宝石であるため、必ずしもジュエリーとして加工されるような球体になる訳ではありません。本来、自然に形成された真珠のなかから美しい球体の物だけを選びとって「真珠」として扱っていたため、真珠は宝石として高い希少価値を有していました。
しかし、真珠の養殖技術が高まるにつれて、人の手を介して球体の真珠を生産できるようになりました。高度な養殖技術によって生み出される真珠の殆どが、美しい球体であるため、凹凸をもった真珠は返って希少価値が高まり、近年バロックパールとして注目を集めています。
バロックパールの語源
バロックパールとは、「Baroque Pearl」と表記します。語源はポルトガル語で、「Baroque」は「歪(いびつ)」という意味を持つ言葉です。
その名の通り「歪な真珠」として、これまで廃棄されていましたが、自然に生み出される形態は唯一無二の物であるとして世界中で人気が高まっています。 日本語にはバロックパールを表す言葉はなく、他国でも多くの国で「バロックパール」として広く認知されています。
バロックパールはどんな母貝からでも作られる可能性がある
真珠にはゴールデンパールやブラックパールなどさまざまな種類がありますが、これらの違いは母貝の種類によるものです。バロックパールも同様で、どんな母貝からでも作られる可能性はあります。
一般的にホワイト系の真珠が知られていますが、ゴールデンパールやブラックパール、グレーパールにもバロックパールは存在します。白蝶貝や黒蝶貝などの母貝から作られるバロックパールは、アコヤ貝から作られるものに比べて大粒である事が多いのも特徴のひとつです。
バロックパールとケシパールの違い
真珠にはさまざまな種類があり、バロックパールと混同されやすいものとしてケシパールがあります。続いては、バロックパールとケシパールの違いについてみていきましょう。
バロックパール
バロックパールは主に有核真珠を指します。有核真珠とは、母貝に貝殻などで作った人工的な核を抱かせて形成させた真珠のことです。核の周りに真珠層が重なっていくことで、球体の美しい真珠が形成されます。
核に真珠層が重なっていく過程で異物などが付着し凹凸ができたものがバロックパールと呼ばれます。そのため、バロックパールの多くは核を持ち、球体がベースになっているのが特徴で、魚の尾ひれのような突起がついているものまであります。
ケシパール
ケシパールは、人工的な核を持たない真珠を指します。母貝のなかに入り込んだ異物が核となるため、核の形によって平たいものや楕円形のものなど、さまざまな形の真珠が形成されるのが特徴です。ケシパールは天然真珠と養殖真珠の両方があります。
バロックパールと淡水パールの違い
バロックパールとケシパールの違いが分かったところで、続いて淡水パールとの違いについても見ていきましょう。パールについて詳しくない人のなかには、「バロックパール=淡水パール」という勘違いをしている人も少なくありません。
淡水パールとは、その名の通り淡水で作られる真珠のことです。ヒレイケチョウ貝、イケチョウ貝、カラス貝、マルドブ貝など、淡水に生息し真珠層を形成する母貝から淡水パールが形成されます。
淡水パールの多くは、ケシパールであるため、さまざまな形や色合いを楽しめるのが特徴です。最近では淡水の有核真珠が養殖されることも増えており、その中からバロックパールが見つかることもあります。
しかし、真珠としての価値はアコヤ真珠や白蝶真珠、黒蝶真珠など海で育てられる真珠の方が高いとされる事が多いです。これらの価値の違いは、真珠の評価を示すマキ、テリ、キズなどによるもので、同じバロックパールであったとしても淡水パールとアコヤ真珠であれば、アコヤ真珠のバロックパールの方か価値が高いとされます。
バロックパールは人工真珠が多いって本当?
近年、バロックパールの人気が高まるにつれて貝パールやプラスチックパール、コットンパールなど、安価なフェイクパールを使ったジュエリーも多くみられるようになりました。
そもそも、バロックパールは養殖真珠のなかでも特に安定的な生産が難しく、その希少価値から注目を集めているジュエリーです。これまでは凹凸のせいで宝石としての価値が損なわれると考えられていたものが、自然のなかで作られた唯一無二の真珠に魅せられ人気を博しました。
人気の高まりから、人工パールによって作られたバロックパール風のジュエリーが広く普及していますが、人工パールとアコヤ真珠をはじめとする本物の真珠の輝きは天と地ほどの差があります。
安価で販売されているバロックパールは、品質などをよく確かめ、誤って人工パールを選ぶことのないよう注意が必要です。
バロックパールの種類
バロックパールには、形によってさまざまな種類に分かれます。
〇バロックパールの種類
- ラウンド型
- 突起型
- ライス型
- ポテト型
- ティアドロップ(涙型)
- 双子真珠(2つの真珠がくっついたもの)
バロックパールの多くは突起型やライス型、ポテト型などになりますが、極稀に美しいティアドロップ型のバロックパールが見つかることがあります。真珠のティアドロップ型バロックパールは、真珠のなかでも特に価値の高いパールとして扱われます。
その他、有核真珠を養殖する際に核を2つ入れて形成させる双子真珠など、比較的人工養殖しやすいバロックパールなどもあります。 続いては、母貝ごとに異なるバロックパールの特徴などについても見ていきましょう。
アコヤ真珠
アコヤ真珠から産出されるバロックパールの特徴は、きめ細かく上品なホワイト系のカラーです。アコヤ真珠のバロックパールは突起型が圧倒的に多く、粒は3-10mmと比較的小粒で上品な大きさのものが多い傾向にあります。
▶アコヤ真珠については、以下の記事でも紹介しています。
アコヤ真珠の見分け方とは|真珠の品質評価や寿命、なぜ高いか、どこで買うかまで徹底解説
白蝶真珠
白蝶真珠から産出されるバロックパールは比較的大粒のものが多いため、形もラウンド型、ライス型、ポテト型など種類が豊富です。また、ティアドロップのバロックパールができる割合も比較的高く、人気が高まっています。
一般的に8-20mmの真珠ができ、ホワイト系カラーの他にゴールド系パールが作られるのも白蝶貝の特徴と言えます。
▶白蝶真珠については、以下の記事でも紹介しています。
【白蝶真珠とは】アコヤ真珠との違いは?どのような特徴・種類がある?シロチョウパールペンダントの利用シーンもご紹介
黒蝶真珠
黒蝶貝からは、ブラック系やグレー系、グリーン系の真珠が作られます。白蝶貝と同じく、形のバリエーションが豊富です。真珠の粒自体も7-18mmと比較的大粒のため、ブラック系のバロックパールを求める方は黒蝶真珠から探すのがよいでしょう。
▶黒蝶真珠については、以下の記事でも紹介しています。
【黒蝶真珠とは】黒真珠との違いや真珠の選び方、一粒パールネックレスの利用シーンまで徹底解説
淡水パール
淡水パールは、イケチョウ貝などをはじめとする淡水性の貝から産出される真珠です。形やカラーのバリエーションが豊富で、真珠のなかでは比較的リーズナブルであるため近年人気が高まっています。一方で、真珠としての品質はアコヤ真珠や白蝶真珠、黒蝶真珠などに大きく劣るため、品質を重視したい方にはおすすめしません。
▶淡水パールについては、以下の記事でも紹介しています。
淡水パールとは?アコヤ真珠との違いから産地や特徴、安価な理由まで、淡水パールの魅力を解説
バロックパールの魅力
近年、人気が急上昇しているバロックパールですが、その価値が見出されるまでは「不出来な真珠」とされていました。美しい球体の真珠こそに価値があると考えられていたからです。
そんなバロックパールに注目が集まったのには、昨今の地球環境に対するSDGsの考え方や個性やオリジナリティを重視する価値観の変化にあります。
母貝のなかで自然に作られる真珠は、美しい球体のものであればある程度人工的なコントロールの上で養殖できるようになりました。しかし、海のなかで偶然母貝に入り込んで作られるバロックパールに関しては、人工的な産出が難しく、全く同じものを量産する事は不可能です。
そんな、唯一無二の価値によってバロックパールが人気を集めています。また、これまで出来の良くない真珠だったバロックパールに新たな価値を持たせることでSDGsに貢献できることも、バロックパールが世界中の支持を集めている理由のひとつと言えるでしょう。
バロックパールを選ぶポイント
バロックパールを選ぶポイントは以下の4つをチェックしてみてください。
- マキ
- テリ
- 色
- サイズ
- キズ
- 形
マキやテリ、キズについては信頼できる真珠販売店やジュエリーショップから購入するのであれば左程気にする必要もないかもしれません。そのため、最も重視すべきなのは形や色、サイズと言えます。
バロックパールは世界に2つ同じものがありません。そのため、ご自身が素敵と思えた色、形、サイズのバロックパールを選ぶのがおすすめです。一目見たときのインスピレーションを大切にして、お好みのバロックパールを選んでみてください。
バロックパールのお手入れ方法
真珠の美しさの源となる真珠層は、有機物であるため汗や化粧品、紫外線などに長時間晒されていると良くありません。バロックパールのジュエリーを使用した後は、必ず汗や化粧品などの汚れを丁寧に拭き取り、日に当たらない場所に保管してください。
通常の真珠に比べて、凹凸のあるバロックパールは、拭き取りにくい場合があります。通常の真珠のお手入れよりも凹凸部分を特に丁寧に拭き上げてお手入れするとよいでしょう。
世界で一粒だけのバロックパールが今後も人気上昇の予感
自然のなかで育まれる真珠は、養殖技術が発展した現在も神秘的で尊い宝石として扱われています。バロックパールは、そのなかでも特に唯一無二の宝石として新たな価値が見出されている真珠です。
地球資源の保護の観点からもバロックパールは、今後も世界中でその価値を高めていくのではないかとされています。ぜひ、自分だけの世界で1粒のバロックパールを探してみてはいかがでしょうか。
ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)でも、アコヤ貝や黒蝶貝などから産出された上質なバロックパールを取り扱っております。マキやテリ、キズなど真珠の基本的な品質については、当店が自信を持っておすすめできる物だけを取り扱っているため、お客様の好みやインスピレーションを受けたものを安心してお選びいただけます。
上質で唯一無二のバロックパールをお求めの方は、ぜひERIS VELINA(エリスヴェリーナ)にご相談くださいませ。
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