真珠の産地

【真珠の産地】日本の三大産地の養殖の歴史や真珠の特徴、世界の真珠産地まで徹底解説

目次

日本は古くから真珠の産地として知られており、数々の美しい真珠が生まれる土地として人々を魅了してきたことはご存知でしょう。しかし、日本や世界における真珠産地の魅力はご存知でしょうか?

この記事では、主要な日本の三大産地エリアから世界の真珠産地、真珠の種類について詳しく紹介します。世界の真珠産地を知ることで、個性豊かな真珠の魅力や選び方について理解を深めることができるでしょう。真珠の世界に踏み込み、真珠愛を深める貴重な情報が満載ですので、ぜひ最後までご一読ください。

真珠については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

【真珠とは?】宝石としての真珠の定義や名前の由来、真珠養殖の歴史、世界に伝わる伝説を紹介

 

そもそも天然真珠と養殖真珠の違いとは?

天然真珠と養殖真珠の違い

真珠は、貝や巻貝などの貝殻内に形成される美しい宝石の一つです。真珠の魅力は、その光沢や輝きにあります。光が真珠の表面を反射し、独特の美しい輝きを放つため、多くの人々に愛されています。

真珠は長い間、美しさと高貴さの象徴とされてきました。そのため、結婚式や特別なイベントでのアクセサリーとしても人気があります。初心者でも真珠の美しさと魅力を楽しむことができる宝石の一つです。

真珠には主に2つのタイプに分類され、天然真珠と養殖真珠があります。それぞれどのような特徴があるのか以下に説明します。

 

天然真珠とは

天然真珠とは、いかなる人間による介入を含まず、生きた真珠貝の体内で偶然的な契機により形成されたものを指します。また天然ブリスター真珠は、天然真珠が真珠袋(パールサック)を破った後にできる真珠のことを指します。

真珠袋(パールサック)とは、外套膜(貝殻を専門に作る臓器)の上皮細胞が真珠貝の軟体部組織に入り込まなければ形成されないもので、パールを分泌する袋状の組織です。

     

    養殖真珠とは

    養殖真珠とは、人間による介入により、生きた真珠貝の体内で真珠袋(パールサック)が形成され、その中で形成された真珠で、外観の表面全体が真珠層で覆われたものを指します。

    貝体内に加える人間の手は、真珠袋を形成するきっかけを与える「のみ」です。真珠核を用いるかどうかで、有核養殖真珠か無核養殖真珠に区別されます。

      真珠の見分け方については以下の記事でも紹介しています。

      真珠の本物か偽物かの見分け方とは?人工真珠を見分ける「6つのポイント」を紹介

       

      日本の真珠三大産地とは

      日本の主要な真珠産地はどこにあるのでしょうか。以下に真珠生産の三大産地とも呼ばれる伊勢志摩、宇和島、壱岐・対馬について特徴や歴史を紹介していきます。

       

      1. 伊勢志摩(三重県)

      伊勢志摩の真珠養殖産地

      三重県は日本の主要な真珠産地で、真珠養殖の歴史が古く、真珠養殖発祥の地として知られています。伊勢志摩は、プランクトンが多く、潮の流れがよい穏やかな環境が、アコヤ貝の生育に適しています。

       

      真珠の特徴

      伊勢志摩の真珠の特徴は、美しい光沢と豊かな色合いです。代表的な真珠である「アコヤ真珠」が養殖されており、淡いピンクやクリーム色から鮮やかな黄色や、光の反射や屈折によって生み出される色によってはグリーン系の色に見えるものまで幅広い美しさを持っています。

      真珠の色による違いについては以下の記事でも紹介しています。

      真珠の色はなぜ違う?真珠の干渉色や実体色、テリ・巻きとの関係、色が長持ちするお手入れまで徹底解説

       

      真珠養殖の歴史

      かつて真珠は、貝が身を守るために偶然生み出す天然の宝石であり、日本でも非常に貴重で高く評価されていました。しかし、その価値ゆえに乱獲が進み、1800年代後半には絶滅の危機に瀕していました。

      そこで、三重県志摩地方出身の商人で「ミキモト」の創設者でもある御木本幸吉が、伊勢志摩で真珠養殖を始めることになりました。

      その後、東京大学の教授である箕作佳吉氏の弟子である西川藤吉氏が、貝殻を生成する細胞の一部を移植することで真円真珠を作る養殖技術を発明し、伊勢志摩は世界で初めて真円真珠の養殖技術を確立した場所となり、各国の真珠産業の発展に大きく寄与しました。

       

      2. 宇和島(愛媛県)

      宇和島の真珠養殖場

      宇和島(うわじま)は、日本の主要な真珠産地の一つで、愛媛県に位置しています。宇和海では、リアス式海岸による深い入江が海面を穏やかに保っており、真珠養殖に最適な自然環境が整っています。

       

      真珠の特徴

      宇和島の真珠は、主にアコヤ真珠が養殖されており、日本の代表的な真珠として人気を集めています。特に白やクリーム色のアコヤ真珠は特有の美しい輝きと上品な光沢が魅力で、高品質な真珠がたくさん産出されています。

       

      真珠養殖の歴史

      宇和島の真珠養殖は、小西佐金吾氏によるアコヤ貝の購入事業から始まりました。1909年には県水産試験場が平城湾で真珠の基本調査を開始し、その後1915年に真円真珠の生産に成功しました。

      昭和初期の1926年頃には宇和島市の坂下津・三浦でも真珠の生産が始まり、その品質の高さから宇和海真珠の名声が広まりました。

       

      3. 対馬・壱岐(長崎県)

      壱岐の真珠養殖場

      対馬・壱岐(いき・つしま)は、日本の主要な真珠産地の一つであり、世界的に有名な真珠の産地です。長崎県は2021年、真珠の生産量が13年ぶりに全国1位となりました。

       

      真珠の特徴

      特有の輝きと豊かな色合いが特徴で、特に淡いピンクやクリーム色の真珠がよく知られています。また壱岐・対馬の島々は、本土から100km以上離れているため、人口が少なく生活排水が海を汚染することが少なく、栄養が豊富で、品質向上に適した環境が整っており、高品質な真珠が豊富に産出されています。

       

      真珠養殖の歴史

      対馬は元来、天然のアコヤ貝が生息する真珠の生産に適した環境でしたが、本格的な真珠養殖は1921年に始まり、長年の歴史を持ちながら独自の技法を模索してきました。

      その結果、日本最大級の養殖規模となり、「対馬真珠」として世に知られるようになりました。養殖規模は日本最大級を誇るまでに発展し、現在では島の主要産業のひとつとなっています。

       

      世界の真珠養殖産地

      タヒチの養殖真珠

      では世界における真珠はどこで生産されているのでしょうか。シロチョウ、ゴールデン、クロチョウの真珠にスポットを当てて紹介していきます。

       

      シロチョウ真珠

      シロチョウ貝(白蝶貝)は、美しい真珠を産出する貝の一つです。日本では沖縄・奄美大島で採取されていますが、産出量は少なく、主要産地はオーストラリア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどです。

      白蝶真珠は、アコヤ真珠のホワイト系とは異なり、独特の透明感があり、中心にグレーやブルーのような干渉色が感じられます。アコヤ真珠のホワイト系が温かみのあるオフホワイトなら、白蝶真珠のホワイトカラーは比較的寒色に近いホワイトと表現できます。白蝶真珠は10mmより大きなものがほとんどですので、直径が10mm以上のホワイト系の真珠をお求めの場合は、白蝶真珠がおすすめです。

      世界の真珠の真珠産業や歴史については以下の記事でも紹介しています。

      【真珠の歴史を解き明かす】東洋・西洋の文化を辿る真珠の魅力と養殖技術の進化とは

       

      ゴールデンパール

      世界における主要産地は、インドネシア、フィリピン、ミャンマー海域などに分布しています。ゴールデン(黄蝶貝)の有名な真珠の日本の養殖産地としては、奄美大島が挙げられますが、熱帯の貝であるため、赤道近くの暖かな海で育ちます。

      真珠がゴールド系に色づくのは、生成過程で真珠層に含まれるたんぱく質の色素が影響しています。そのため、ゴールデンパール用途の母貝でなくとも、金色の真珠が産出されることがあります。

      ゴールデンパールの特徴は、なんといってもそのゴールドの色味です。色が濃く出ているものほど上質とされ、最も上質な色の珠は「茶金系」と呼ばれることもあります。

        

      クロチョウ真珠(タヒチアンパール)

      クロチョウは、南太平洋のフランチポリネシア諸島にあるタヒチ島が9割程の生産量を占めています。

      日本において黒蝶真珠の養殖は、1914年に沖縄県の石垣島で始まりました。1980年代に入り、タヒチ島で本格的に黒蝶真珠の量産を開始し、沖縄県に代わって世界の市場を独占するようになりました。

      黒蝶真珠の色は、ブラック系を中心に、グリーン、ブルー、グレー、ブラウン、レッドなど、さまざまな色があります。

      日本では、特にブラックやグリーン系が人気であり、最近ではマルチカラーの流行により、さまざまな色が販売されています。黒蝶真珠の色味には、ピーコックグリーン(単にピーコックと呼ぶこともある)、ピスタチオ、チョコレートなどの名前もあります。

      その他の貝から採れる真珠については以下の記事で紹介しています。

      ホタテから真珠がとれる?スキャロップパールがとれる理由や確率、真珠を作る貝10種を紹介

       

      真珠の選び方と購入のポイント

       アコヤ貝と真珠

      では実際に真珠を選んでいきましょう。真珠を選ぶ際は自分の好みや予算、用途を考慮し、信頼性のある店舗で購入することが重要です。また、色や形、大きさ、産地など、真珠の魅力を存分に楽しむために、じっくりと自分好みのものを選んで購入しましょう。真珠を選ぶ際や購入のポイントを以下で説明します。

       

      真珠には様々な色がありますが、個人の好みに合った色を選ぶことが大切です。有名な色としては、白やクリーム色がありますが、ピンクやブルー、黒、ゴールデンなども人気があります。

       

      大きさ

      アコヤ真珠の大きさは、3mmから9.5mmほどです。9mm以上になると値段は高くなり、また6mm以下のアコヤ真珠はあまり養殖されていないので、値段は高くなる傾向があります。大きな真珠は存在感があり、小さな真珠はかわいらしい印象を与えます。自分のスタイルや用途に合わせて選びましょう。

       

      真珠の形によって、アクセントや装飾性、着用時の印象が変わってきます。真珠の形には、ラウンド(丸形)・オーバル(卵形)・ドロップ(涙滴形)・バロック(不規則形)・シーズ(種子形)・バトン(紡錘形)があり、真珠の形を選ぶ際には、個人の好みや着用シーン、他のアクセサリーや衣装との相性を考慮すると良いでしょう。

       

      テリ(光沢)

      光沢を生み出すのは、真珠層の厚みや重なり、すなわち「巻き」が重要になっています。光沢の良い真珠は、真珠層が緻密で、きれいに整って重なり合っています。巻きが厚いからといって、真珠層に均一性がないと、柔らかな色合いにはなりません。

      真珠を選ぶ際には、自分の顔や照明がよりはっきりと見え、奥深いピンクやグリーンの色が、光と一緒に鮮やかに浮かび上がる真珠を選びましょう。光の反射や輝き、虹色のきらめきなどをよく観察し、自分の好みや着用シーンに合った美しいテリを持つ真珠を選ぶことが大切です。

        

      歴史と伝統、美しさが詰まった魅力的な真珠

      無調色真珠のエリスヴェリーナ

      真珠の世界は、宝石の中でも独自の魅力を放ち、多様な美しさに溢れています。日本の真珠産地はその中でも特に素晴らしいものがあります。伊勢志摩の豊かな自然に育まれた真珠や、長崎の深い入江で生まれる高品質な真珠など、個性豊かな真珠たちが愛されています。

      真珠を手にすると、その輝きや色合いに思わず心がときめきます。そして、歴史と伝統が詰まった真珠の産地を訪れると、一層その美しさに感動することでしょう。

      そんな素晴らしい真珠を手に入れるなら、ERIS VELINAがおすすめです。アコヤ真珠の上品な輝きや、シロチョウの繊細な透明感、ゴールデンの豊かなゴールドカラー、そしてクロチョウの深い色合いなど、さまざまな種類の真珠が揃っています。

      ERIS VELINAでは、あなただけの特別な一粒を見つけることができることでしょう。ぜひ心躍る美しい真珠の世界に触れてみてください。

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