「ガラスパールは本物の真珠とどう違うの?」
「ガラスパールは冠婚葬祭に身に付けられる?」
歴史が古くコスチュームジュエリーの素材として長年愛されているガラスパールですが、本物の真珠と比べるとどのような違いがあるのでしょうか。
今回の記事ではガラスパールの歴史や特徴を詳しく解説します。ガラスパールがおすすめのシーンや、逆にガラスパールを着用しない方が良いシーンもご紹介するので、ガラスパールを身に付けて観たい方は参考にしてください。
なお、真珠の種類については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
▶【真珠の種類】養殖・天然真珠の名称を一挙紹介!シーン別に選びたい真珠の種類やパールネックレスとは
目次
ガラスパールとは?歴史と特徴

本物の真珠は、アコヤ貝などの母貝の中で長い年月をかけて育まれます。一方、イミテーションパールは、本物の真珠を模倣して人工的に作られた模造真珠です。ガラスパールは、ガラスを原料として作られたイミテーションパールの一つです。
ガラスパールの核はガラス玉です。ガラス玉の製造方法には、機械でガラス塊を削って球体を作る方法と、熱して溶かしたガラスを鉄の芯棒に巻き取って成形する方法があります。
機械巻きの原玉を使ったガラスパールは生産数が少ないプレミアム品で、イミテーションパールとしては価格も高めです。
ガラス玉の表面は、真珠箔やパール塗料を塗り重ねて仕上げます。塗料を塗って乾燥させる工程を何度も繰り返すことで、人工的な真珠層が作られます。
ガラスパールの歴史
ガラスパールの歴史は古く、1656年にフランスで中空のガラス玉に真珠塗料と白蝋を詰めたのが、ガラスパールの始まりと言われています。欧米では1900年前後に広く生産されるようになりました。
日本へは明治末期に伝わり、大阪商人の大井徳次郎氏が、魚の鱗を原料としたパールエッセンスという塗料でガラスパールの生産を始めました。20世紀初頭から現在まで、ヴィンテージの雰囲気を持つコスチュームジュエリー素材として、ネックレス、イヤリング、ピアスなどに幅広く使われています。
ガラスパールの生産地
現在、日本でガラスパールを多く生産しているのは大阪府和泉市です。和泉はガラス工業が盛んな地域で、国内で生産されているガラスパールの約8割が作られています。
海外ではガラス工業の盛んなイタリア・ヴェネツィアのムラーノ島で、ヴェネチアンガラスやムラーノガラスで作られたガラス玉を使ったパールが製造されています。
ガラスパールの特徴

ガラスパールは、本物の真珠や他のイミテーションパールと比べるとどのような特徴があるのでしょうか。詳しく解説します。
重量感がある
ガラスパールの核はガラスでできているため、ガラスパールは本物の真珠、コットンパール、プラスチックパールと比べると、ずっしりとした重量感があります。
そのため、大粒のピアスやロングネックレスなどには不向きな場合もあります。逆に重みのあるつけ心地を好む方もいます。
光沢が美しい
ガラスパールはガラスの原珠に何層も塗料をコーティングして作られるため、本物の真珠にも引けを取らない美しい輝きが楽しめます。
本物の真珠の光沢に比べると、ギラギラとした強みのある光沢で存在感があるため、舞台衣装に合わせるジュエリーや夜のパーティードレスに合わせるジュエリーに向いています。
水分に強く硬くて傷つきにくい
ガラスは硬くて傷つきにくい素材なので、ガラスパールもプラスチックパールやコットンパールに比べると変形しにくく、傷が付きにくい性質を持っています。
また、ガラスパールは水分や汗にも強いため、着用後に特にお手入れをする必要はありません。
形と色のバリエーションが豊富
ガラスパールは、さまざまな形や色のものが販売されています。球体だけでなく、オーバル型、ドロップ型など、さまざまな形状のガラスパールを作れるので、個性的なジュエリーに仕上げて楽しめます。
また、色も本物の真珠に似せたホワイトやクリーム色だけでなく、ゴールド、シルバー、グリーン、ブルーなどさまざまな色合いのガラスパールが作られています。
衝撃に弱く塗料が剥がれやすい
ガラスパールの弱点には、まず、ガラスが硬い素材のため衝撃に弱いことがあげられます。硬い床に落としたり壁にぶつけたりすると衝撃で割れてしまうことがあります。
また、ガラスパールの表面のコーティングも弱点です。核であるガラスは硬くて丈夫な素材ですが、表面に施された塗料の層はデリケートです。硬いものにぶつけて表面に傷が入ってしまうと、その部分から剥がれてしまうことがあります。
また、酸、摩擦、紫外線などによっても劣化しやすく、変色したり輝きが失われたりすることがあります。
ガラスパールの使い方

ガラスパールはどのような場面で着用するべきでしょうか?ガラスパールのおすすめの使い方を紹介します。
コスチュームジュエリーとして楽しむ
ガラスパールの魅力は、購入しやすい価格とデザインの豊富さです。本物の真珠のジュエリーよりも安価で形やカラーが豊富なので、ファッションジュエリーとして楽しむのがおすすめです。
冠婚葬祭には不向き
真珠は冠婚葬祭に着用できるフォーマルな宝石ですが、これはあくまでもアコヤ真珠などの本物の真珠のみのこと。ガラスパールは光沢がギラギラしており、一目でイミテーションと分かるため、冠婚葬祭のフォーマルなシーンでの着用は控えた方が無難です。
あくまでも普段用のジュエリーとして、ちょっとしたお出かけや日常シーンでのおしゃれに身に付けましょう。
本真珠とイミテーションパールは上手に使い分けて

ガラスパールはイミテーションパールの中では最も長い歴史を持ち、現在でも独特の質感や輝きから根強い人気のあるジュエリー素材です。
国内外の一流ガラス工房で作られているガラスパールの中には品質が高くて美しいガラスパールも多く、イミテーションパールとしてはプレミアムの価格で流通しているものもあります。
しかし、ガラスパールはあくまでもイミテーションなので、冠婚葬祭には向いていません。お子様の七五三や入学式といったフォーマルな行事、結婚式やお葬式といった冠婚葬祭の場には、本物の真珠を身に付けて臨みたいものです。
5色の無調色真珠の専門店「ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)」では、真珠の王道であるアコヤ真珠はもちろん、華やかさのある白蝶真珠やゴールデンパール、神秘的な輝きを放つ黒蝶真珠、希少価値の高いブルーアコヤなど、幅広い種類の無調色真珠ジュエリーを取り揃えています。
人生の大切な場面では本物の真珠を、遊び心を出したい時にはイミテーションパールと、上手に使い分けてください。
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