美しい輝きと形状、手頃な価格帯といったことから、貝パールは多くの人々に愛されていますが、実際には本物の真珠とは異なる特徴を持っています。
この記事では、貝パールと真珠の違いについて紹介しながら、貝パールが冠婚葬祭に不向きな理由についても掘り下げていきます。真珠にまつわる疑問や魅力を知ることで、上質なアクセサリーを選ぶ際の参考にしてください。
▶︎真珠の種類については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
【真珠の種類】養殖・天然真珠の名称を一挙紹介!シーン別に選びたい真珠の種類やパールネックレスとは
目次
執筆・監修「吉木 大雄」
1981年生まれ。関西学院大学在学中、ウェディング業界で4年間のアルバイトを通じて、冠婚葬祭やフォーマルな装いの重要性を学ぶ。さらに、大学卒業後、真珠や着物などフォーマル分野でキャリアをスタートし、20年以上にわたり専門性を追求してきた。現在は、株式会社TradStyleの代表取締役として、真珠ジュエリーブランド「ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)」「ERILISS(エリリス)」「えり正呉服店」を運営。
専門資格として、「パールシニアアドバイザー」「ジュエリーコーディネーター」「ジュエリーリモデルカウンセラー」「相続診断士」「パーソナルカラーアナリスト」を取得。これらの資格を活かし、顧客一人ひとりに寄り添ったコーディネート提案やジュエリーの価値を高めるリモデル相談を行っている。また、パールシティ神戸協議会の協議委員として、神戸の真珠産業や文化の普及活動にも尽力している。
貝パールとは?
貝パールは、一見すると本物のような見た目と名称ですが、養殖真珠の核と同じく天然の貝殻を削って成形加工した貝核を原珠に用いて作られる「模造真珠」の一種です。本真珠を模したイミテーションパールとしての特徴を持っています。
貝パールの特徴
貝パールの特徴は、天然貝核を使用し、核の周囲に層が人工的に形成されています。別名「シェルパール」とも呼ばれています。
貝核に「パールエッセンス」と呼ばれる塗料が何度も塗り重ねられた人工層によって、光の多重層反射による輝きが生まれます。
貝パールの品質
貝パールの品質はパール塗料の質や調色、塗布技術に影響され、色合いや輝き、光沢感に違いが現れます。
安価な途上国で生産される貝パールも日本国内に流通していますが、品質や塗りムラにより、日本国内のものに比べて見劣りするといわれています。
貝パールの作り方
貝パールの作り方としては、天然貝核にパール塗料を何度も塗り重ねて作られます。日本国内の工房では、珠をワイヤーに通し、静かにパール塗料の水槽に浸し、乾燥させる作業を繰り返し、真珠層を厚く形成します。
そのため、日本産の貝パールは均一で滑らかな仕上がりを持っています。このような工程を経て販売される貝パールは「普通塗り」と呼ばれています。
貝パールの2つのメリット

ここからは、貝パールの「2つのメリット」についてご紹介します。
- 本真珠に似た見た目
- カジュアルなアクセサリーとして使いやすい
メリットについてそれぞれ詳しく解説していきます。
1.本真珠に似た見た目
貝パールの最大のメリットは、その見た目が本真珠と非常に似ている点です。これが、貝パールが装飾品として人気を集める大きな理由の1つです。
しかしながら、中には人工的な光沢を持つテカテカとしたものも存在します。このようなテカテカとした光沢のあるものは、人工的な印象を与えることがあるため、選び方に注意が必要です。
▶︎本真珠の違いについては、以下の記事でも紹介しています。
アコヤ真珠の見分け方とは|真珠の品質評価や寿命、なぜ高いか、どこで買うかまで徹底解説
2.カジュアルなアクセサリーとして使いやすい
貝パールは、カジュアル専用のアクセサリーとしての使用に適しています。本物の真珠に比べ、手頃な価格で手に入るため、カジュアルな日常のコーディネートにも気軽に取り入れることができます。そのカジュアルさと華やかさのバランスは、普段使いの装いにマッチします。
貝パールの3つのデメリット

貝パールには「3つのデメリット」があります。
- 酸、熱、水に弱い
- 摩擦によって傷が付きやすい
- 劣化や黄ばみが早い
デメリットについてそれぞれ詳しく解説していきます。
1.酸、熱、水に弱い
貝パールのデメリットの1つとして、酸、熱、水への弱さが挙げられます。
酸への弱さ
貝パールは酸に弱く、酸性の化粧品や化学物質との接触は変色や傷の原因となる可能性があります。特に、化粧品やヘアスプレーの使用後は、貝パール製品の取り扱いに注意が必要です。
熱への弱さ
高温に晒されると、貝パールの色が変わったり、光沢が失われることがあるため、ヘアドライヤーや暖房器具などの熱源から遠ざけることが重要です。
水への弱さ
貝パールは水に長時間浸ると変色や光沢の喪失が起きることがあります。入浴や水泳の際は、装着を避けるか、水が掛からないような場所での使用を考慮すると良いでしょう。
2.摩擦によって傷が付きやすい
貝パールのデメリットとして、その表面の柔らかさから摩擦による傷が付きやすいという点が挙げられます。硬い物との接触や、衣服や他のアクセサリーとの摩擦は特に要注意です。
日常的に身に着ける際、装着箇所が他の物と頻繁に接触する場面では、特に注意深く取り扱うことが必要となります。貝パールを長く美しく保つためには、その取り扱いに慎重さが求められるのです。
3.劣化や黄ばみが早い
貝パールは、汗やほこりの影響を受けやすく、これが劣化や黄ばみの原因となります。特に、汗の酸性成分や塩分は貝パールの変色や表面の劣化を引き起こす可能性があります。夏場や運動時などの多汗時には、こまめな拭き取りや清潔に保つことが重要です。
さらに、ほこりの付着は、その輝きを鈍らせるリスクがあります。定期的な清掃や、柔らかい布でのお手入れが必要です。
保管時には、ケースやジュエリーボックスを定期的に清潔にし、貝パールに汗やほこりが付かないよう心掛けましょう。
貝パールネックレスの価格相場

一般的な貝パールネックレスの価格相場は、数百円から数万円程度です。貝パールも素敵ですが、品質と魅力を重視するなら、本真珠は他のものには代えがたい価値があります。
本真珠の繊細な美しさと不朽の価値は、きっとお求めになる方に多くの喜びと満足をもたらすことでしょう。
国産貝パールの品質と価値は?

貝パールと本真珠を比較した場合、価値が高いのは圧倒的に本真珠と言えます。しかし、日本で古くから製造されてきた貝パールには巧妙な技術が用いられており、伝統工芸品と呼ばれることも珍しくありません。
一方で、発展途上国で作られる低品質な貝パールが流通しているせいで「貝パール=低品質」というイメージが作られていることは否定できないでしょう。
同じ貝パールであっても、海外産と国産では美しさが全く異なります。国産貝パールの品質の高さは世界にも認められており、世界最高峰の人工真珠「マジョリカパール」と肩を並べる程です。
もちろん、長く愛用できるもの、より高品質なもの、正式な場に着用していくもの等を選ぶ際には、本真珠を選ぶべきでしょう。
しかし、国産貝パールは見目美しいジュエリーを気軽に身に付けたいという人々に支持され、現在も世界のアクセサリー業界で強い存在感を示しています。
貝パールと本真珠の見分け方

貝パールとアコヤ真珠の見分け方の一つは、真珠を両端で持って軽くこすり合わせる方法です。
本物の真珠はざらざらとした感触を持ちますが、貝パールは滑らかであり、つるつるとした感じがします。ただ、力を入れすぎると傷つけるリスクがあるので、注意が必要です。
本真珠は1つ1つが独特の形や光沢、表面のエクボなどの特徴を持っており、これらの微細な違いに注目することで見分ける手がかりとなります。一方、貝パールは形が均一で整形感を持っていることもあります。
貝パールは「はげる」というのは本当?

結論からいうと、貝パールは写真の通り「はげる」というのは本当で、本物の真珠に比べると強度は劣ります。長年の使用によって穴口から徐々に剥がれてくることが多いです。乱暴な取り扱いや高温多湿の中で保管していると、劣化が早くなるのでご注意ください。
冠婚葬祭では、貝パールよりも本真珠がいい

ここからは、貝パールと本真珠の着用シーンについて詳しく解説します。結論として、冠婚葬祭などフォーマルシーンには、貝パールよりも本真珠が適した装いであるといえます。その理由は以下で詳しく説明します。
- 貝パールは涙を意味しない
- 本真珠は伝統と文化の象徴
- 本真珠は着用者の気持ちを伝える
冠婚葬祭では本真珠がおすすめな理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
1.貝パールは涙を意味しないから
貝パールが冠婚葬祭などフォーマルシーンには適さない理由の一つは、涙の象徴としての意味がないためです。本物の真珠は「涙の象徴」ともされ、これは人魚が恋人の思いに涙し、その涙が波にはじけて宝石となった伝説から来ています。
貝パールはこのような背景がなく、慶事や弔事など気持ちを伝えるイベントには向かないとされています。冠婚葬祭では真珠が感情の表現として使われることが多いのですが、貝パールはその象徴的な意味合いが欠けているため、適切ではないとされています。
2.本真珠は伝統と文化の象徴
フォーマルシーンに選ばれる理由の一つとして、本物の真珠は「伝統と文化の象徴」としての役割が挙げられます。
古来、本真珠は高貴な装飾品として珍重され、その歴史的背景や伝統的な文化の中で重要な位置を占めてきました。この深い歴史的背景が、本真珠の特別な日の装いとしての価値を一層引き立てているのです。
3.本真珠が女性の美しさを引き出す
本真珠はその独特の穏やかな輝きで、着用者の内面の美しさを引き出す効果があります。冠婚葬祭に本真珠を身につけると、その上品で洗練された輝きが、着用者の優雅さや気品を際立たせます。
このように、本真珠は着用者の美しさと気持ちを引き立てる特性があるため、フォーマルシーンの装いとして、貝パールよりも適していると言えるでしょう。
フォーマルシーンでは、貝パールより本真珠がおすすめ

貝パールと本真珠の違いを理解することは、自身のスタイルや好みに合ったアイテムを選ぶために非常に重要です。それぞれの真珠が持つ独特の魅力を理解し、選択の際の参考にすることで、自分らしい装いを演出することができます。
特に、本真珠の高品質と輝きは多くの人々から愛されています。ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)では、上質な本真珠を多数取り扱っており、お客様のニーズに応える製品を提供しています。是非、ERIS VELINAで最適な本真珠を見つけて、特別な日に更なる輝きを加えてください。
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誕生石×アコヤパールネックレス特集
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アコヤ真珠は、日本が世界に誇る宝石。その透明感ある光沢と、ほのかに浮かぶ虹色の干渉色が、デコルテを上品に美しく彩ります。特に、卓越した光沢と清らかな透明感を持つ無調色アコヤ真珠は、カジュアルからビジネス、フォーマルまで、あらゆるシーンで活躍し、装いに洗練された気品を添えます。
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無調色 ウルトラブルー アコヤパール ペンダント 特集
日本産アコヤ真珠の中から、特に希少な無調色の「ウルトラブルー」のアコヤ真珠を厳選しました。透き通るような青は、まるで海そのものを映し出したかのような神秘的な色合いです。さらに、南国の海を思わせる深い「ウルトラマリンブルー」は、海に差し込む光を感じさせる魅惑的な美しさ。そして、澄んだ青空のような透明感を持つ「ウルトラスカイブルー」は、涼やかで爽やかな空気を漂わせます。
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アコヤ真珠や南洋真珠におすすめのチェーンを選りすぐりました。8mmのアコヤ真珠なら幅が0.5〜0.6mm、10mmの南洋真珠であれば0.6〜0.7mmのチェーンがおすすめです。チェーンのデザインは、キラキラと輝くカットアズキと上品なベネチアンがピッタリ。素材はK18YG・WG・PT850をご用意しています。
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真珠をいつまでも美しく保つケア用品やパールジュエリーに便利なアイテムをご紹介しています。また、パールネックレスのGPT糸替えやパールクリーニングもお気軽にご用命ください。

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