コットンから作られたコットンパールは、軽くて独特の風合いを持つイミテーションパールです。
ヴィンテージジュエリーのような雰囲気やデザインの豊富さなど、本物の真珠とは異なる魅力が評価され、コットンパールを使ったネックレスやピアスなどが人気です。
今回の記事では、コットンパールの歴史や特徴について詳しく解説します。コットンパールの素敵な使い方や着用マナーについても解説するので、コットンパールのジュエリーを取り入れてみたい方は参考にしてください。
なお、真珠の種類については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
▶【真珠の種類】養殖・天然真珠の名称を一挙紹介!シーン別に選びたい真珠の種類やパールネックレスとは
目次
コットンパールとは?

コットンパールとは、本真珠を真似して作られたイミテーションパール(模造真珠)の一種です。温かみのあるやさしい色合いをしており、表面によった細かな凹凸でナチュラルな印象があります。
本真珠はもちろん、ガラスパールやプラスチックパールなどともひと味違う、独特の魅力があるイミテーションパールです。
コットンパールの作り方と原料は?
コットンパールの中核は、綿(コットン)を球体状に圧縮した固い芯材です。芯材の表面にはパールエッセンスと呼ばれる塗料を施しています。
パールエッセンスを塗装し乾燥させる工程を何度か繰り替えすことで、本物の真珠のような光沢が生まれます。
コットンパールの歴史
イミテーションパールが最初に作られたのは、17世紀のフランスと言われています。コットンパールは、重たい本物のジュエリーに代わる代替品として、アールデコがブームであった19世紀のヨーロッパで誕生しました。
アールデコではボリュームのあるロングネックレスが人気があり、本真珠よりも遥かに軽いコットンパールが重宝されていました。
日本では戦後に大阪を中心にコットンパールが製造されるようになりました。1960年代の高度経済成長期には、高価な本真珠に変わるコスチュームジュエリーとして人気を集めました。しかし、安価で生産できるプラスチックパールの登場によって人気が衰退し、生産も止まりました。
2000年頃にかつての生産者の倉庫からデッドストックのコットンパールが見つかり、本真珠とは異なる温かみのある風合いが再評価され、アクセサリー業界で注目を集めました。 2010年頃から生産が復活し、現在では本真珠とは異なる魅力を持つジュエリー素材として定着しています。
コットンパールが再び人気に
コットンパールが一大ブームとなったのは、1950年代から1970年代にかけて。現在の70代や80代の方が若かった頃に流行していたため、「コットンパールはダサい」「時代遅れ」という、印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし、2000年代に入ってからのリバイバルブームで、コットンパールの持つ独特の質感や温かみが再評価されています。自然素材を原料に作られているコットンパールは温かくナチュラルな風合いや、アンティークな雰囲気が魅力です。
手作りのジュエリーサイトやファッションブランドから、コットンパールを使ったジュエリーが数多く販売されており、特にファッション感度の高い20代から30代の女性に注目されています。
コットンパールの特徴

コットンパールには、本真珠や他のイミテーションパールとは異なる魅力があります。ここからはコットンパールの特徴をご紹介します。
圧倒的に軽い
コットンパールは、核が圧縮されたコットンで作られているため、本物の真珠や他のイミテーションパールと比べるととても軽いのが特徴的です。
「空気を纏うような軽さ」とも表現され、特にロングネックレスや大ぶりのピアスやイヤリングなど、他の素材では重たくなってしまうようなボリュームのあるデザインでも、軽く身に付けやすくなっています。
長時間身に着けていても首や耳に負担を感じにくく、ヘアアクセサリーなどにも使いやすい素材です。
綿の繊維による細かい凹凸が見られる
本真珠や他のイミテーションパールは、表面は滑らかでツルっとした見た目ですが、コットンパールはシワがよったようなテクスチャーが独特です。
これは圧縮されたコットンの繊維が織りなす凹凸によるもので、コットンパール特有の温かみのある質感を作り出しています。
セミマットな落ち着いた光沢感がある
コットンパールは繊維による細かなシワがあるため、本物の真珠やガラスパールのような深みのある光沢ではなく、セミマットの落ち着いた光沢を放ちます。
シックでやわらかな輝きなのでコットンのワンピースなどのナチュラルな洋服にもよく似合い、普段使いしやすいです。
完全な球体ではない歪つな形
コットンパールは綿を圧縮して作られているため完全な球体ではなく、それぞれ形が少しずつ異なります。
少し歪んで不揃いな形状から手作り感や個性が感じられるのも、コットンパールの魅力の一つ。新品のコットンパールのジュエリーでも、どこか懐かしいヴィンテージジュエリーのような雰囲気が感じられます。
カラーバリエーションが豊富
コットンパールの多くはナチュラルなクリームやホワイトカラーですが、核に使うコットン素材によってシャンパンカラー、ピンク、ベージュ、パープル、ラベンダー、ネイビー、グリーンなど、さまざまな色合いのものが作れます。
中には一粒で2色のコットンを使ってグラデーションを楽しめるバイカラーのものもあります。
水と衝撃に弱い
コットンパールの核はコットンでできているため、ガラスパールやプラスチックパールなど他のイミテーションパールに比べると水分や衝撃に弱い傾向があります。
汗や水分がついたまま放置すると色落ちしたり、変形・変質の原因になります。また、強い衝撃や圧力にも弱く、表面に傷がついてしまうとパール加工が剥がれてしまう恐れもあります。
コットンパールの使い方

独特な質感で若い世代の女性を中心に人気のあるコットンパールですが、どのようなシーンで着用すればよいのでしょうか?コットンパールのおすすめの身に付け方をご紹介します。
カジュアルコーデに取り入れる普段使い用のパールとして
コットンパールは、控えめな光沢や温かみのある色合いから、コットン素材のワンピースやデニムなどにとてもよく似合います。
カジュアルな装いの時に気負いなく合わせやすく、さり気なくおしゃれ度を上げてくれるのが魅力です。普段の生活でさり気なく身に付けるジュエリーには、コットンパールはうってつけです。
デート、観劇、女子会など、普段よりおしゃれしたい時に
コットンパールはカラーやデザインが豊富なのも魅力です。本物の真珠ではあり得ない大粒のパールや、軽さをいかした2連、3連のロングネックレスなど、個性的なデザインも楽しみやすいです。
デート、観劇、女子会など、普段よりおしゃれしたい時に、華やかでデザインを楽しめるジュエリー素材としておすすめです。
ロングネックレスの重ねづけ、大ぶりイヤリング、カラフルなパールをあしらったヘアバレッタなどで、コットンパールを取り入れてみてください。
気になるコットンパールの着用マナー

真珠は冠婚葬祭で身に付けられるフォーマルなジュエリーですが、コットンパールも冠婚葬祭で身に付けられるのでしょうか?コットンパールの着用マナーについて解説します。
コットンパールは結婚式で身に付けられる?
コットンパールはイミテーションパールで見た目もカジュアルなことから、「結婚式などのフォーマルな場には不向き」とされています。
会場の格、パーティースタイル、新郎新婦の意向などを考慮して、コットンパールを身に付けても失礼にならないか判断するようにしましょう。
どうしてもコットンパールのジュエリーを選びたい場合は、小粒のパールネックレスなどフォーマルな印象のデザインのものを選び上品にまとめるのがおすすめです。
コットンパールはお葬式で身に付けられる?
一方、お葬式やお通夜など弔時では、コットンパールの着用は厳禁です。
一連のパールネックレスを模したクラシックな印象のコットンパールのジュエリーでも、コスチュームジュエリーの素材という印象が強いため、弔の席で身に付けるのは故人や遺族に対して失礼です。
お葬式やお通夜で身に付けるパールは、本物の真珠を選びましょう。
コットンパールは何歳まで身に付けられる?
コットンパールを身に付けるのに、特に年齢制限はありません。しかし、価格が安くコスチュームジュエリーとして手軽に購入できることから、20代や30代の若い世代の女性が身に付けるジュエリーという印象が強いかもしれません。
ただし、40代、50代の大人世代の女性も、コットンパールを使った上品なピアスやクラシックな一連パールなどを選べば、おしゃれでシックな印象で身に付けられます。
コットンパールはこんな方におすすめ!

温かみのある色合いやセミマットな質感で、ヴィンテージジュエリーの雰囲気を持つコットンパール。
長い歴史の中で再びその魅力が評価され、近年多くのジュエリーブランドからコットンパールを使ったジュエリーが販売されています。コットンパールのジュエリーは、以下の方におすすめします。
予算を抑えてパールジュエリーを楽しみたい方
上品なパールジュエリーを楽しみたいけれど、本物の真珠を使ったパールジュエリーは一粒パールのペンダントでも3~5万円、ネックレスともなると20万円以上します。
一方、コットンパールを使ったアクセサリーは、ブランドにもよりますが数千円から高いものでも1万円代程度と、本真珠に比べると格安です。予算を抑えて気軽にパールジュエリーを楽しみたいという方には、コットンパールがおすすめです。
個性的なパールジュエリーを楽しみたい方
コットンパールは人工的に作られているので、本物の真珠ではあり得ない大粒のパールを作ることも可能です。
また、自然なホワイトカラーだけでなく、金やブロンズといったメタリックカラーや、パープルやグリーンなどの個性的な色など、カラーバリエーションが豊富です。
大粒やカラフルなコットンパールを使ったジュエリーは、通常のパールジュエリーの概念を超えた個性的なジュエリーとして、コーデのアクセントになってくれます。
人生の大切な場面には本物のパールジュエリーを

独特の質感、軽さ、カラーやデザインの豊富さ、価格の安さなどから、コットンパールを使ったジュエリーを楽しむ人が増えてきています。普段使いやカジュアルなパーティーでは身に付けやすく、おしゃれのアクセントとなります。
しかし、お子さんの入学式や卒業式、フォーマルな結婚式、お葬式など、冠婚葬祭で身に付けるパールなら、やはり本物の真珠を選ぶべきです。
神戸を拠点とする5色の無調色真珠の専門店「ERIS VELINA(エリスヴェリーナ)」では、品質の高い一生もののパールジュエリーを取り揃えております。冠婚葬祭で身に付けられる本物の真珠を探している方は、ぜひご相談ください。
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